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Light and Darkness【小説】

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note様主催の創作大賞2024に応募する関係で投稿した小説、「Light and Darkness」という恋愛小説のまとめです。もし興味があれば、良ければ! 約3万6千字。全1…
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記事一覧

「Light and Darkness」第1話:光と闇

 彼女が道を歩けば、たちまち光の粒子が舞い散る。誰もがその光景を目にしていた。彼女の方向…

秋野凛花
3か月前
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「Light and Darkness」第2話:成人の儀

 彼らが生を受けたマジェスペリー王国では、歳が十五になると成人したとされる。そして成人の…

秋野凛花
3か月前
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「Light and Darkness」第3話:儚い幸せ

 アリシアは、自分の家の庭の隅で、声を押し殺して泣いていた。  人生でこんなにも胸が張り…

秋野凛花
3か月前
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「Light and Darkness」第4話:降りしきる大雨

『……お前って、本当に脳筋。すぐ手が出るの、どうにかならないの』 『なっ……!? あっ!…

秋野凛花
3か月前
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「Light and Darkness」第5話:空を裂く雷光と口付け

「……アリス。君も俺のことを、そうやって求めてくれるのなら……」  俯くアリシアの視界に…

秋野凛花
3か月前
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「Light and Darkness」第6話:自称:婚約者

『アリシア!! 今日も凛々しかったわ、素敵!! ……あの言葉が真実となれば、もっと嬉しい…

秋野凛花
3か月前
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「Light and Darkness」第7話:冷ややかな瞳、微かな温度

 反射的にアリシアは青ざめる。そんな、一番見られたくない人に、この光景を見られるだなんて──。  ボルケニクの腕の力がその声に反応して緩む。動揺していたものの、その隙にアリシアは、ボルケニクからきちんと距離を置いた。  そろ……と、アリシアは突然現れた男を……フレドリックを、恐る恐る見上げる。フレドリックは、こちらを冷ややかな瞳で見つめていた。  いつも犬猿の仲を装っている時、彼はこういう目をしている。本意ではなく、あくまで演技だ。でも、今は? 今……自分は彼に、どう思われて

「Light and Darkness」第8話:朝の紙面

 王立マジェスペリー魔法学園は全寮制の学校だ。学園の中心には学び舎がそびえ建っており、そ…

秋野凛花
3か月前
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「Light and Darkness」第9話:性急な決闘

 目撃者の証言によると、こういうことらしい。  昨夜の男子寮での夕食の席で、フレドリック…

秋野凛花
3か月前
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「Light and Darkness」第10話:戦う理由

 いよいよ主役が出揃った。だからこそ誰もが黙り、静寂が訪れる。  戦場には戦う者のみ。決…

秋野凛花
3か月前
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「Light and Darkness」第11話:揺れる優劣

 始まった決闘に、観衆は歓声をあげる。その大歓声にアリシアは思わず肩を震わすが、気を取り…

秋野凛花
3か月前
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「Light and Darkness」第12話:精霊王の祝福

 フレドリックはその剣先を、ボルケニクの首に突きつけた。あと少しでも動いたら、その剣はボ…

秋野凛花
3か月前
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「Light and Darkness」第13話:またこうして

 学生たちの間の話題は、今日の決闘のことで持ちきりだった。  素晴らしく無駄のない戦い。…

秋野凛花
3か月前
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「Light and Darkness」第14話:運命を

「ふふっ……ごめんなさい。だって貴方たち、とっても息ピッタリの仲良しに見えるんだもの」 『はぁ!? こいつの影に目ぇやられちゃったんじゃないのアリシア!!』 「俺はそんなことしていないよ。……アリシアもこう言っていることだし、仲良くしてよ。光の大精霊さん」 『絶対に嫌!!!!』  ウィンクは鋭くフレドリックを睨みつけ、そして勢い良くそっぽを向いた。もう目も合わせたくない! とその行動が示している。  かと思えば、早く今後とやらを話し合いなさいよ、と話を先に進めることを促してく