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生きづらさ

今日も天気は曇り模様。気温がマイナス2桁の日々が続く。こんな天気のせいで毎日ずっと頭が痛い。だけどこの日は、心も痛かった。

カフェを出た。30分後に授業が始まるから急がなくちゃ。除雪作業が行き届いていない歩道は滑りやすい。ツルッと滑りそうになりながらもゆっくりと足を下ろして寮に向かう。5分ほど歩いた頃だろうか、信号が出てきた。ロシアの赤信号はとても長い。青信号が点滅しているのは40秒ほどだというのに、赤信号では123秒も待たなければならないのだ。待っている時の時間は遅く流れるものだ。色んなことを考えてしまう。「明日の食事会すごくだるいな」。

嘘つきと呼ぶのか、自己防衛と呼ぶのか分からない。「頭が痛くてコロナかもしれないから明日は休むね」。これで明日の食事会に行かなくて済む。よかった。ふと胸を撫で下ろした。よく分からない苦しみから解放されたような心地がした。

なんとか授業にも間に合った。安心したのも束の間、心がザワザワし始めた。先生の大きすぎ声が苦しい。呼吸がどんどん速まる。頭が真っ白になった。静かに、だけど素早く、パソコンの音量を最小まで落とした。するとすぐ、深い呼吸に戻った。

今日もやってしまった。誰も悪くないのに、生まれ持った声を否定するかのような行動をとった。誘ってもらったときはふたつ返事で参加を伝えたのに、直前で断ってしまった。大きすぎる声を聞いたり大人数の集まりが近づいたりすると、なぜか苦しくなってしまう。申し訳なさがさらに増す。でも、自分を守るにはこれしかなかった。すがる思いで同期に電話をかける。支離滅裂に今日のことを話し終えると3秒ほど空白の時間が流れた。

「私もだよ。でも誰にも言えなかった」。

私だけじゃなかった。今日の自分を認めてみよう。



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