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【エッセイ】日本代表の控え選手とキャプテン時代の葛藤が重なり合う

私は小学、中学時代は地元の強豪校のバスケチームのキャプテンでした。

でも…試合開始から15分だけのレギュラー。
いつも決まって出場時間は開始15分間だけ。

そんな学生時代の挫折とサッカー、バスケの男子日本代表の控え選手に
重ねてしまう想いを綴ります。

フル出場できない悔しさと虚しさ

私がフル出場できない理由は明確で、後輩に追い抜かれてしまったから。
レギュラーメンバーになっていたのもキャプテンナンバー「4」を付けていたから監督の配慮だったのかなと。

あと10分…
あと5分…で交代

ベンチ前で交代選手が監督から指示をもらっている。
その光景を見るたびに「交代の時間がきた…」という虚しさに襲われ
両親が観客席から熱心に応援している姿は、虚しさを一層、倍増させた。

交代の指示が出されるその虚しさ。
あの場の緊張と興奮が一瞬で風前の灯火となる。
灯りが消える前に一瞬、輝く。

ベンチに退く時間が長ければ長いほど、胸の奥に熱いものがこみ上げてくる。

自分の感情に折り合いをつけて居場所を見つける


歴代のキャプテンはチームの中心選手。
コート内外でチームを引っ張る存在だった。

キャプテンナンバー「4」じゃなかったら
これほどまで自分を追い詰めなかったかもしれない…。

試合に出られない期間が長くなると、モチベーションを維持するのが難しくなる。

試合で練習の成果を発揮できないという焦燥感。
レギュラー選手と自分との差。
チームの勝利に貢献できていないという罪悪感。

そして何より、キャプテンでありながらコートに立てない状況。
「キャプテンはプレイだけじゃないよ、チームのまとめ役だよ」
誰かが言ってくれた言葉も、その時は耳に入らなかった。

それでも、腐らずに練習に取り組むことは簡単ではなかった。

「控え選手」という自分を受け入れられない日々

ベンチではキャプテンとして試合に出られない選手にも声をかけて
モチベーションを保った。
ベンチからコートの選手にも指示を出す。

「なぜ自分が使われないのか」
「戦術だから仕方ない」
「後輩も経験が必要…」

実力以外の理由を探しては自分を落ち着かせていた。

テレビ観戦で感じる控え選手の想い

バレー、バスケ、サッカーの代表戦が好きでよくテレビ観戦します。
コートやピッチで活躍する選手よりも、つい控え選手がいるベンチに目がいってしまう。

選手の表情を見るたびに、自分の過去と重なる。

試合に出られない悔しさ
それでもチームを応援したいという気持ち
そしていつか必ずピッチやコートに立つという決意

いつ訪れるかわからない出場する瞬間に向けて準備する。
ほんの限られた時間のために。

代表戦は、メンバー入り、ベンチ入り、レギュラー、交代選手など
リアルに選手の格付けが決まる。
それぞれのステージで、さまざまな感情が交錯している。

控え選手として成長する

試合に出られない時間を通して多くのことを学んだ。
チームワークの重要性
メンタルコントロールの鍛錬

どんな状況でも前を見てチームのことを考えること

出場する瞬間はいつ訪れるかわからない。
予測不能。

それは一瞬かもしれない。
あるいは期待していた以上の時間かもしれない。

確かなことはその時間がほんの一部、限られたものであるということ。
その限られた時間のために、練習に励み、自分自身を鍛える。

スポーツ控え選手を見て思うこと

特に印象的なのは、元サッカー日本代表キャプテンの長谷部誠選手。
長谷部選手は、海外で移籍失敗から監督に干されてベンチにいる期間があった。

そして今40歳になり、またベンチで過ごす日々を送っている。
彼は絶えず練習でもチームを引っ張り、模範選手としてチームからの信頼は絶大。

いつでも出場できるように準備を整えている。
出場した際には、安定したプレーを展開。
ピッチにいる選手に指示を出すだけでなく負けている場面ではチームを鼓舞する。

若い世代の中で自分の衰えを感じているかもしれない。
でも、とても負けず嫌い。
少し笑える。
全力でサッカーを楽しむ姿は、私に大きな勇気を与えてくれる。

サッカー日本代表でエースナンバー10番を背負う堂安律選手からも目が離せない。「10番は三苫がいいのでは」「いや久保だろう」という声がある中で
背番号10という重圧と戦う彼の姿は見逃せない。
彼もまた強靭なメンタルの持ち主。みんな強い。

バスケ男子日本代表の須田選手も気になる。
W杯は、3ポイントシュートの成功率の不安定さ、デフェンス力不足で
日本代表から落選。

代表戦で須田選手の3ポイントシュートが外れたとき
なぜか他の選手が外した時よりも深く落ち込みます。

でも彼は何度も挫折し、困難に直面しながらも乗り越えてきた選手。
停滞や後退している時ほど、諦めない。
必ず新しい道を開くという期待感しかない。

彼からは、決して諦めないという強い決意を感じる。
それは言葉で表すことが難しいギリギリな精神状態のはずなのに
もがき苦しみながらプレイしている様子がテレビの画面から伝わってくる。

選手たちへの深い共感と応援。
戦略、技術、パフォーマンスのチーム貢献度、選手の葛藤。
スポーツの奥深さを感じながらテレビの前から離れない自分がいる。

控え選手の経験がもたらした成長

どんな状況でも、前向きに考えることは簡単ではなかった学生時代。
逆境を乗り越えるためには、前向きな気持ちを持つことが何よりも大切。
どんな状況でも努力を続け、チャンスを掴むためには強い意志と前向きな思考が必要。

今なら…今だから理解できる。

控え選手の経験は、私にとってかけがえのない財産となった。
試合に出られない悔しさ、チームへの貢献への不安、そしてモチベーション維持の難しさ。

バスケ選手としての成長だけでなく人間としての成長にも繋がったと思う。

未来への希望

小学生時代は競争が激しい。
子供たちは多くの感情に向き合う。
試験やスポーツなどの結果に対する喜びや悔しさ。

時には親の視線から逃れて悔し涙を流しているかもしれない。
学校の教科書や親から教わることだけでは得られない貴重な経験。

それは、何事も必ずしもスムーズにはいかないという事実と
挫折から立ち直り、前に進むために踏ん張る力。

そして、自分の行動が他人に影響して目標達成には
協力が必要な社会生活の重要な教えに。

彼らもまた、チームの一員として大きな役割を担っていることを
忘れないでほしい。

さいごに

スポーツだけでなく、社会生活でも「控え」を嫌というほど経験してきました!
過去の控え選手を通じて、困難な状況との向き合い方を学んだことで
マインドセットは難しくなかった。

控え選手から学んだ教訓は、人生の他の場面にも応用できる。

「よく乗り越えたね。おかげで、あとの人生で挫折からの立ち直りが早かったよ」

過去の自分に伝えたい。

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