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上澄吸収価格とコミュニティ・ブランド

こんにちは。くにたけりんと申します。
まずは、この記事を読もうと思ってくれて本当にありがとうございます。

今回は、「上澄吸収価格とブランド・コミュニティ」と言うタイトルで、経営学を学んでいる方だったり、これから新製品を販売していこうと思っている方に向けて、上澄吸収価格とはなんぞや、その価格設定のメリットデメリットは何かについて語っていこうかなと思います。

何かの参考になれば幸いです、では行きましょう。

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本題です。

まずは「上澄吸収価格」とは何か。

これは、『新製品発売初期などのタイミングにおいて、そのターゲットは自ずと「ニッチャー」「イノベーター」「お金持ち」だったりするのだが、こういった人たちはいくらで販売しているのかよりも、その商品がどれだけ価値があるかに重きを置いているのだから、多少高くして売ろう!』という価格設定です。

製品の特性や販売時期、浸透状況において販売の仕方・マーケティング手法は変わってきますが、今回の価格設定は主に「今まで見たことのない画期的な製品」に関してのお話です。

この価格設定法を知っておけば、利益をより多く獲得することができ、それによってより多くのお金を製品や技術に当てることができるので、結果として良い循環が生まれるのですが、そうも簡単ではないのが現実です。

何が難しいのか。

それは「画期的な製品が生み出しづらい現代になっている」という点です。

画期的な製品・アイディアを頭に思い浮かべることはまあまあイージーです。しかし、ぶっちゃけ僕やあなたが思い浮かぶ製品・アイディアは、とっくの昔に誰か思い浮かんでたはずで(だって70億人いるんだから)、じゃあ僕らが考えなきゃいけないのは「なぜ世に生まれていないか」です。

これを突き詰めていくと、大抵世に生み出せないことがわかります。それは「費用がかかりすぎる」だったり「時間がかかりすぎる」だったり。

問題のほとんどが解決され、だいぶ便利に過ごすことができる世の中になった現代では、そもそも「画期的な製品・アイディア」を生み出すことがかなりハードだったりします。
もし(ほとんど不可能だと思いますが)画期的ななにかを生み出すことができたとしても、それは「画期的」であるが故に浸透しないことが往々にしてあります。

お客さんの立場になって考えると、誰も買っていないものを買おうとはなかなか思わないですよね。人間の大半は、「みんなが買っているから」から生まれる「安心」が担保されて初めて手を出します。この購買傾向は、こと日本においてはますます強くなっていて、その原因が「可処分所得の低下」にあったりします。

そんな時代に「画期的」はむしろマイナスだったりすることがあって、そこを乗り切るにはとにかく全人口2.5%の「イノベーター」にアプローチするしかないのですが、この人たちは情報感度が高すぎるが故に、一般的な「画期的」が「普通」だったりします。

イノベーターの中で熱狂が生まれて初めて上澄を吸収できるわけですが、情報感度レベル99の人たちにとっての「画期的な何か」を生み出すのはかなり無理ゲーだったりします。

さらに、先ほども書かせていただきましたが、現代ではほとんどの問題が解決され、残っているのは経済的に合理性のない問題のみです。これを山口周さんは著書「ビジネスの未来」の中で「経済合理性限界曲線の外側の問題」と仰っていました。

↓山口周さん「ビジネスの未来」↓
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9%E3%81%AE%E6%9C%AA%E6%9D%A5-%E3%82%A8%E3%82%B3%E3%83%8E%E3%83%9F%E3%83%BC%E3%81%AB%E3%83%92%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%92%E5%8F%96%E3%82%8A%E6%88%BB%E3%81%99-%E5%B1%B1%E5%8F%A3-%E5%91%A8/dp/4833423936

詳しくはぜひ本を読んでいただきたいのですが、端的に経済合理性限界曲線の外側というのは「儲けにならないこと」です。
儲けにならないから、たとえそこに問題があったとしても、誰も手を付けたがらないんです。

そんなところにこそ「画期的」は生まれやすいのですが、そこで生まれたものを浸透させるには時間がかかり、そしてその間ずっと儲けにならない。
たとえ上澄を吸収できたとしても、それとは比にならない莫大なお金がかかります。シンプルに赤字。

まとめると、まず「画期的はなかなか生まれない」そして「生まれたとしてもお金がかかりすぎる」。

こういった壁があるので、なかなか難しいのが現状なのですが、もしここを突破できたのならその先に待ち受けているのは圧倒的なブルーオーシャンです。

そこでは上澄価格が効果を成すのですが、そのまま行くと次の壁が待ち受けています。

それが「競合他社との価格競争」です。

ずっと上澄吸収価格でやってきたのだが、そこに同じ製品でより安い価格を販売する競合他社が出てきたらどうでしょう。いままで顧客だった人たちが一気にそっちに乗り換える可能性が生まれます。

そこで、「競合他社が安く売っているから、自分たちも安くしよう!」といって安くしてしまうと、顧客は製品を選ぶ際に「値段」でしか見なくなり、結果熾烈で誰も得をしないただの価格競争に陥ります。

上澄吸収価格は販売初期は効果的であっても、長期的に見たら不利になっている可能性も孕んでいるということですね。

こんな感じで、最初に設定する価格というのは、ものすごい重要なわけですが、上澄吸収価格を設定するなら長期的な目線からやらなきゃいけないことがあります。
それが「コミュニティ・ブランドの熟成」です。

これは、競合他社がより安く販売してきた時の盾になるもので、たとえコミュニティやブランドがしっかりできていれば、今まで顧客だった人たちが簡単に離れることはありません。

コミュニティやブランドというのは、その製品を生み出す提供者と顧客との間のボンド的な役割を果たしています。

このボンドが強固であればあるほど、「安いから」という理由では簡単に離れませんし、より長期的な関係を築くことができます。

上澄吸収価格を設定する際は、この「コミュニティ・ブランドの熟成」も視野に入れる必要がある、というお話でした。

最後まで読んでいただきありがとうございました、ではまた

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