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電子書籍あれこれ

これまで「本は本屋さんで買うか図書館で借りる」というのが当たり前だった。もちろん何十年も前(それこそ僕のご幼少のころ)から“古本屋さん”というのはあったし、今じゃBookoffはすっかり市民権を得ている。

例えば初めての作家さんの本を手に取るとき、いきなり何千円もするハードカバーを買う人はかなりのチャレンジャー。半分仕事みたいな感じで本を読む僕にしたって、そんな冒険はしない。Bookoffで安く買った本なら例えつまらなくても捨てられるけど、ハードカバーで買った本が自分の感性に合わなかったら…これは泣くね。

図書館に通う、ということがなんだか面倒くさくなってしまった今、電子書籍アプリで本を探すことも多くなった。その手のアプリでは“立ち読み”や“サンプル”という形で数ページを試し読みすることができるため、ここで気になったものを本屋さんに買いに行くという流れ。もちろん、そのまま購入ダウンロードに進むというのが一般的なんだろうが、「やっぱ本は紙じゃないとねぇ」という古臭い考えもなかなか抜けない。

というわけで、電子書籍アプリの中にダウンロードされているのは、ちょっと本屋さんでは買えないもの。あー、勘違いしてもらっては困るけど、別にエッチな本ではなくライトノベル系のやつね。ライトノベルって、本屋さんの棚でも1列にドサッとまとめられているので欲しい本がどこにあるやら全くわからない。若い人たち、あれでよくお目当てのモノ探せるね。そんなわけで、今回は最近アプリで探した本を2冊ご紹介。

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泣くな研修医(中山佑次郎 / 幻冬舎文庫)

著者は現役の外科医。それにしちゃ(と言っては失礼だけど)文章が滑らかでとても好感持てる。そういえば昔々、初めてハマった作家さんである故・北杜夫氏も精神科のDrだった。いっとき僕の書く文章は軒並み《ドクトルマンボウ》風だったな。

この本は出だしが面白かったので、即本屋さんへ、ちょうど2巻も出ていたので2冊を同時購入した。基本的に、不器用な主人公の成長譚というストーリーはお気に入りだ。もう少し続きそうなので続編にも期待したいところ。

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淡海乃海(あふみのうみ/イスラーフィール/Toブックス)

これはいわゆる“なろう系”のラノベ。《小説家になろう》や《カクヨム》といった小説投稿サイトからの書籍化である。転生モノといわれるジャンルで荒唐無稽と言われりゃそれまでだけど…これはなかなかに面白い。画像からもわかるように、舞台は戦国時代。近江の小さな国人領主の跡取りに転生した主人公(物語のスタートは5歳から)が、周囲の強大な武将たち渡り合い国を大きくしていくというお話…とこの手のものには興味ないという人も、騙されたと思って一度Amazonなどでチェックしてみてもらいたい。この主人公がちょっとした糸のもつれで公家(雨林家)になるという別バージョンのお話もある。

紙媒体と電子媒体

今となってはすることもないけれど、通勤や通学で読書するなら電子書籍のほうが圧倒的に便利。今、出張で電車や飛行機に乗るときは紙の文庫本をバッグに入れていくことが多いけど、日常的に電車に乗る暮らしならやっぱり電子書籍のウエイトが大きくなるかな。とはいえ、専用デバイスまで買うかとなると…どうなんだろう?いつも持ち歩いているミニノートは分離式でタブレットとしても使えるから、それでいいような気もする。

電子書籍が増えてきたころ、書籍・雑誌・ニュースメディアまでがすべて電子となり紙媒体は消滅するんじゃないかとも言われた。まぁ実際にはそこまでのことはないのだが、紙媒体の聖地ともいえる公立図書館でさえ全国229の自治体で電子書籍サービスを実施している。TRC(図書流通センター)が相変わらず阿漕な商売をしていて、本一冊当たりの単価は電子の方がずいぶん高くなっているらしい。だからこの先どこまで普及するかは微妙なところだな。

いずれにせよ、本を読む人にとってはその読書スタイルがいろいろ選べるのはいいことだ。前述の通り移動中に読むのには電子書籍が便利だし、夜にリビングで寛ぎながらゆったりと読むならやっぱり紙の本だろう。昔から、「秋の夜長は読書」と言われていることだし…この週末に読む本でも探しに行こうかな。






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