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ZERO to ONE 君はゼロからなにを生み出せるか

本書は、PayPal創業者のピーター・ティールさんの本です。
私は起業はしたこと無いのですが、結論、私にとっては刺激的、かつ感動的な本でした。
0→1の人は、未来を変えるための思想と成功するための合理主義の両面を持ち合わせているのか、と思いました。
本書の中身は、起業や企業の内容がメインですが、学校教育の教材にしても良いのではないかと思うほどです。

未来思考

採用面接でかならず訊く質問がある。「賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろう?」
「誰も築いていない、価値ある企業とはどんな企業だろう?」

ピーター・ティールさんによると、答えが未来に近いほど良いそうです。
未来を見ている人の方が0→1を創れる人であるとのことです。

バブル崩壊からの学び

1 少しずつ段階的に前進すること ⇔ 小さな違いを追いかけるより大胆に賭けた方がいい
2 無駄なく柔軟であること ⇔ 出来の悪い計画でも、ないよりはいい
3 ライバルのものを改良すること ⇔ 競争の激しい市場では収益が消失する
4 販売ではなくプロダクトに集中すること ⇔ 販売はプロダクトと同じくらい大切だ

アメリカのバブル崩壊による学びとして、前者が多くの起業家の学びで、後者がピーター・ティールさんの学びです。
詳しくは、是非、本書を読んで欲しいです。

独占企業と非独占企業の違い

カネのことしか考えられない企業と、カネ以外のことも考えられる企業とでは、ものすごい違いがある。独占企業は金儲け以外のことを考える余裕がある。

本書の全体感として、ピーター・ティールさんは独占することの重要性を説明しています。
競争は意味が無く、独占企業であるべきだと主張されています。

具体的なビジョン

創業者が会社を売却するのは、自社の将来についての具体的なビジョンを持っていないからだ。その場合、買収価格はおそらく高すぎる。逆に、盤石な計画を持つ意思の固い創業者にとってはどんな価格でも低すぎるので、会社を売却することはない。2006年7月にヤフーがフェイスブックに10億ドルで買収を提示した時、僕は少なくとも考えてみるべきだと思った。だけど、マーク・ザッカーバーグは取締役会にやってきて、こう宣言したのだ。「オーケー、じゃ、形式だけ、ちゃっちゃと10分以内にすませちゃいましょう。ここで売るとかありえませんよね。」マークは自分がフェイスブックをどうしたいかをはっきりと思い描いていた。ヤフーはそうではなかった。

これは、単に私がシビれただけです。
1000億円を提示されても会社を売らないと決め切っているフェイスブックCEOは、世界をどう変える人なのかワクワクしました。

共謀者を採用する

グーグルでもほかの会社でもより高給でより高い地位につける人が、20番目のエンジニアとして君の会社を選ぶ理由はなんだろう?
他社にできないことを約束すべきだ。それは、素晴らしい仲間と独自の問題に取り組める、替えのきかない仕事のチャンスだ。おそらく報酬や福利厚生では2014年のグーグルに勝つことはできないけれど、使命とチームについての正しい答えがあれば、1999年のグーグルになることができる。

2月からベンチャーにて人事業務に従事する私にとって、考えさせられる、答えを出さなければいけない質問だと思いました。

営業・販売の素晴らしさ

営業マンがいないとしたら、君自身がその営業マンなのだ。

ピーター・ティールさんは、販売の大切さを本書で事例も交えて説明しています。
営業経験のある私にとっても、「プロダクト・サービスを磨く必要がある」と思っていました。
良いサービスであれば、売れるはずだと。
ピーター・ティールさんは、どちらも大切だと説明しています。
非常に面白い内容です。

人間とテクノロジー

人には意思がある。僕たちは計画を立て、複雑な状況で判断を下す。一方で、大量のデータを読み解くのはどちらかというと苦手だ。コンピュータはちょうどその反対で、効率的にデータを処理できる反面、人間にとってはしごく簡単な判断でさえ下せない。

人の仕事はテクノロジーに置き換わるというようなことは、よく聞くことだと思います。
自分のキャリア、息子の将来のためにも、テクノロジーの仕組みを理解し、テクノロジーには、「何ができて何ができないのか?」「今後は何ができそうなのか?」くらいは理解しておきたいと思いました。

クリーンテクノロジーの破綻

クリーンテクノロジー企業が破綻したのは、どんなビジネスも答えをだすべき7つの質問をなおざりにしたからだ。
1 エンジニアリング-ブレークスルーとなる技術を開発できるだろうか?
2 タイミング-今が適切なタイミングか?
3 独占-小さな市場から始めているか?
4 人材-正しいチーム作りができているか?
5 販売-プロダクトを作るだけでなく、それを届ける方法があるか?
6 永続性-10年、20年と生き残れるポジションができているか?
7 隠れた真実-他社が気づいていない、独自のチャンスを見つけているか?

アメリカのクリーンテクノロジー企業は、ほとんどが上記の質問に答えることができず、破綻したそうです。
逆に全ての質問に答えたのがテスラだそうです。
非常に合理的で面白い内容です。

最後に

本書は、年に1回くらいは読み直したい1冊だなと思いました。
マクロ視点、未来思考、ビジネス・合理思考、全てにおいて、その時々により、私の本書からの捉え方が変わりそうな1冊だと思いました。
非常に刺激的で感動的でした。
ビジネスマンは、是非、読んでみてください。

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