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サーチ・インサイド・ユアセルフ

本書は、心を整える手法「マインドフルネス」を科学にもとづき、Google独自の研修プログラム「サーチ・インサイド・ユアセルフ(SIY)」について書かれています。
自己認知力、創造力、人間関係力など様々な能力を高める技法が紹介されております。

それにしても、普段全くといっていいくらい本を読んでこなかった私にとって、「マインドフルネスってなに?」の世界からスタートし、本書は実用書というよりも、ある種の教養書に感じる部分も多く、読むのに苦労した1冊です。

マインドフルネスとは?

マインドフルネスをGoogleで検索すると、下記と出てきました。
気になる方は、調べて見てください。

"簡単に言うと、マインドフルネスとは「”今ここ”にただ集中している心のあり方」のこと。"
"マインドフルネスとは、「『今、この瞬間』を大切にする生き方」を指します。"

幸せなのは心の基本設定状態

年相応の大人になってくると、「幸せとは?」のような解の無い問題について、考えたことがある人もいるかと思います。
私も漏れなく、その中の1人です。
本書では、下記と記載されています。

"幸せなのは基本の心の設定状態だからだ。
心は穏やかで明瞭になると、基本設定に戻る。
そして、その基本設定が幸せ状態なのだ。
つまり、幸せは、追い求めるものではなく、自ら可能にするものであるということだ。"

確かに、心の中にモヤモヤがある状態はどうも幸せとは感じにくいです。
では逆に、「なにができれば幸せなのか?」「どういう状態が幸せなのか?」という問いに対しては、解はどうでしょうか?
仮に、「年収1億円あったら幸せ」とした場合に、「年収1億円が実現できていない状態は、幸せではない≒不幸せ」ということでしょうか?
少し極端かもしれませんが、年収1億円の実現、相当、難しそうですね。
人は誰しも幸せになるために生きている権利があるとした場合に、「もっと簡単に幸せになる方法があるよ。それは心を基本設定状態(ありのまま)にするだけだよ」といった内容です。
すなわち、心のモヤモヤさえなければ、幸せということです。
すごく学びにもなり、この考え方には共感しました。

自己認識の能力

本書では、自己認識の能力について、下記の3つの領域があると記載されております。

"自己認識の領域には、三つの情動的能力があるそうだ。
1 情動の自覚
-自分の情動とその影響に気づくこと
2 正確な自己査定
-自分の長所とその限界を知ること
3 自信
-自分の価値と能力を強く実感すること"

情動の自覚は、生理的レベルで働くそうです。
また、セルフモチベーション(自己動機付け)に直結しており、心の奥底の価値観と整合させることで、一番うまく自分を動機づけられるようです。
また、金銭面に影響を及ぼすこともあるそうです。
詳しくは、本書を読んでください。

正確な自己査定(自己客観性)は、意味のレベルで働くようです。
また、知識労働者数百人を対象に行った研究によると、正確な自己査定ができる人が、たいてい優れた実績をあげているようです。
こちらについては、以下と明記されています。

"本来、完璧な人などいない。正確な自己査定ができれば、私たちは限界があるにもかかわらず、成功しやすくなる。"

自信については、以下と書かれています。

"自信とは、富士山ほど大きくなると同時に、取るに足りない砂粒ほど小さくなれる能力だと思っている。"

本書の著者であるチャディー・メン・タンさんも実はとても内気な人間の方のようです。
ところが、今では、内気なのは変わらないようですが、場面によっては、紛れもない自信を示せるようになったとのことです。

ジャーナリング

"ジャーナリングとは、自分に向けて書くことで自己発見する練習だ。
自分の考えを紙の上に流れ出させ、何が出てくるかを自分で見られるようにするのだ。"

こちらについては、先日読んだ、「ゼロ秒思考」と非常に近い部分だと思います。

大枠の概念としては、マインドフルネスに内包されるものだと思っており、実践していきます。

誘発(トリガー)に対処する

まず、トリガーというものについては、以下の説明されております。

"トリガーというのは、一見すると些細な害の無い言葉に怒りを爆発させる場合が、それにあたる。"

トリガーというまでではないですが、つい、昨日のことです。

私は現職を今月末で退職します。
現職は、転職市場のリクルーティングコンサルタントとして、法人営業に従事しておりました。
非常にお世話になった担当クライアントを後任の先輩に引き継ぎ、有難いことに、そのクライアントが私含めた送別会を兼ねたような会食を企画してくれているようです。
もちろん後任の先輩としては、早くクライアントと仲良くなりたいという目的が大きく、その為に前任の私に来て欲しいということでしょう。
ところが、その会食の予定日と妻が予約した家族旅行の日が重なってしまいました。
どうやら、妻が当初予定していた家族旅行の日程では、行きたい旅館が空いておらず、私のスケジュールを見て、別日で予約していたようです。
妻に、旅行の日程が変わっており、その日は会食と重なっているということを相談しましたが、どうしても行きたいけど、キャンセルしなきゃかな〜と悲しそうであり、旅行などなかなか行けてないので、私自身家族サービスしたい気持ちもあったので、申し訳ないですが、先輩に相談と謝罪をしました。
その際に、電話口にて先輩からは、「全部、嫁に任せてるからでしょ。」と少し冷たく感じるお言葉をいただきました。
一切、トリガーほどでは無い事例ですが、「あまりプライベートや家族のことについて、色々言われたく無い」という一瞬の感情というか、違和感が私には少しありました。

本書では、トリガーに対処するために「シベリア北鉄道」と呼ばれる練習があるようです。
この練習は、次の5つのステップから成るとのことです。

1 停止する
2 呼吸する
3 気づく
4 よく考える
-誰もが幸せになりたいと望んでいる。
-この人は、このように振る舞うと何らかの形 で幸せになれると考えている。
5 反応する
-目の前の状況にポジティブな結果をもたらしそうな反応の仕方を想像する。

私の昨日の話は、全くトリガーでは無いですが、トリガーが起きた際は、まず停止してしっかり5つのステップを実行します。

ロウソク問題

"金銭的モチベーションが、手順の決まった、規則に基づく仕事、つまり、あまり創造性を必要としない仕事には効果があることが分かる。
創造性や、そのほかの認知的技能を必要とする種類の仕事には、金銭面なモチベーションはあまり効果がなく、逆効果になることさえある。"

こちらは、単に学びであったので、記載しました。
もし、私のこちらを読んでくださる方がいれば、評価制度を見直す際などの参考になれば幸いです。
最も良いのは、本書を読んでいただく方が良いと思います。

最後に

本書は、教養書としての一面もあり、読んだだけで、何がどうこうなるものでは無い印象です。
繰り返し読み、SIYを自分のものしていく力が必要だと感じます。

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