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私の想うアート : about art

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20世紀までは「芸術」、21世紀には「アート」と呼ばれて汎用化しているARTについて、私なりの考えを伝えます
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#Photoshop

ワタシノ想フ エロス&エクスタシー ~ 2つの美術書を比較しながら

エロスと性愛的欲望は異なるもの この世を生きていくということには、どうしても避けることのできない「ある問題」が解決されることなくあり続けていますが、自分独りの考えで解決することではないので、普段はそのことをあまり意識しないようにしているかもしれません。 その問題とは、広くは「人間関係」であり、具体的には「異性や同性との関係」ということになります。 私は男性である、ということだけが理由にはならないのですが、私にとってのエロスの対象は「女性的なるもの」なのです。もちろん、実

“ どこでもアート ” ではない ART を求めて ~ ワタシノ想フ宇宙

あなたはどんなアートを求めていますか 私は、2011年より2017年まで( コロナ禍で中断 )、8つの県にある11の公立美術館で個展を開催してきました。 ですから私には、作り手側としてのアート観があります。と同時に、アートについて何かを語る際には、作り手だけでなく受け手側にとっても大事なことがあると考えています。 それは、「あなたにとってアートとは何ですか、どんなアートを求めているのですか」を、その人なりにつかんでおくことだと思うのです。 そういうわけで、以下に、私が求め

また別の光景を求めて ~ 切り貼りコラージュではなく、合成加工して変容させるフォトモンタージュで創る世界観

「フォトショップって聞いたことはあるけど、どういうものなのですか?」「フォトショップ・ソフトはあるのですけど、使い方がわからなくてね」 個展会場では、以上のような質問をよく受けました。 最初のころは、会場内に「作りかた手順」の簡略図のようなパネルを掲げていました。 そこで今回は、特に初心者の方にイメージしやすいように、パソコン画面を使った「制作手順」を示してみます。ただ、ソフトの取り扱い説明ではなく、創作の発想中心です。 photoshop の基本機能だけ使う つい数年

さようなら、ミラーレス

フィルムからデジタルへ 私は1990年代半ばまでは、NIKONの一眼レフ・フィルムカメラを使っていましたが、2000年代に入ると、瞬く間にデジタル機器一色の世の中になっていました。 初めて買ったデジタル一眼レフは、PENTAXのKシリーズ。どっしりした重みとフィット感が気に入っていましたが、フォーカスが曖昧で合焦点しにくいのは難点でした。 2010年以降は、PANASONIC や OLYMPUS のデジタル・ミラーレスカメラの軽さと小ささに魅了され、一眼レフは重すぎ大き過ぎ

Photoshopが世に出る前に、すでにジェリー・ユルズマンがいた

私の師は J・ユルズマン ~ フォトモンタージュの巨匠 80年代は、まだフィルムカメラ全盛時代で、中古の一眼レフカメラで気の向くままに主に自然や建物を撮っていました。やがて就職し、カメラや芸術とは全く無縁の日々が続きました。 90年代のある日のこと、何かの美術雑誌で目にして強い興味をひかれたのが、Jerry Uelsmann ジェリー・ユルズマン というアメリカの写真家の以下のような合成写真でした。 私はこれを見て強烈な影響を受け、自分もこのような作品を創りたいと思いまし