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私の想うアート : about art

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20世紀までは「芸術」、21世紀には「アート」と呼ばれて汎用化しているARTについて、私なりの考えを伝えます
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2023年2月の記事一覧

存在の粉砕か、至高の法悦か ~ アート思考は一時休止して

現代アートの元祖たち、現代美術展の感想、キャプションは学習指導か、などに触れながら自分のアート観を伝えます 現代アートの元祖たち ~ デュシャン・ケージ、そして・・ こと現代美術に限定しての記事を閲覧すると(美術品売買業者のHPも含め)、マルセル・デュシャンの1917年発表の作品「泉」は元祖・現代アートとして位置づけている内容が多いです。 デュシャンは古典絵画から20世紀初頭まで連綿と続く西洋絵画の伝統を、目で見て愉しむだけの「網膜的絵画」だと一刀両断し、その代わりに、脳

さようなら、ミラーレス

フィルムからデジタルへ 私は1990年代半ばまでは、NIKONの一眼レフ・フィルムカメラを使っていましたが、2000年代に入ると、瞬く間にデジタル機器一色の世の中になっていました。 初めて買ったデジタル一眼レフは、PENTAXのKシリーズ。どっしりした重みとフィット感が気に入っていましたが、フォーカスが曖昧で合焦点しにくいのは難点でした。 2010年以降は、PANASONIC や OLYMPUS のデジタル・ミラーレスカメラの軽さと小ささに魅了され、一眼レフは重すぎ大き過ぎ

Photoshopが世に出る前に、すでにジェリー・ユルズマンがいた

私の師は J・ユルズマン ~ フォトモンタージュの巨匠 80年代は、まだフィルムカメラ全盛時代で、中古の一眼レフカメラで気の向くままに主に自然や建物を撮っていました。やがて就職し、カメラや芸術とは全く無縁の日々が続きました。 90年代のある日のこと、何かの美術雑誌で目にして強い興味をひかれたのが、Jerry Uelsmann ジェリー・ユルズマン というアメリカの写真家の以下のような合成写真でした。 私はこれを見て強烈な影響を受け、自分もこのような作品を創りたいと思いまし