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2015/2/11 学生活動報告会 東北復興ボランティア展 報告

東日本大震災からもうすぐ 4 年を迎えます。町田の近隣に通う大学生たちは、現在もボランティア活動を続けています。

去る 2015 年 2 月 11 日、「学生活動報告会 東北復興ボランティア展」(町田生涯学習センター主催、さがまちコンソーシアム共催)が開催されました。学生たちが行っている復興支援ボランティア活動に興味を持った来場者は 100 人以上にも及びました。陸前高田市にある仮設住宅モビリアとの交流をしている玉川大学文学部比較文化学科太田ゼミを含めた学生 9 団体がこれまでに行ってきた被災地や、キャンパス内外での復興支援活動について報告しました。各団体のパネル展示もあり、ボランティア活動に積極的な学
生同士の交流がなされました。

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太田ゼミは 2011 年 12 月から岩手県陸前高田市にある仮設住宅モビリアと交流を続けています。モビリアに訪問する際に行っているのが、聞き書きとモビリアまつりです。聞き書きとは住民の方と学生が1対2でお話をして、それを後日、話し言葉で書き起こすものです。聞き書きをした住人の方と学生の間には絆が芽生え、多くの学生が聞き書きを終えてから文通などの交流が
続いています。モビリアまつりとは「長期化する仮設住宅を盛り上げるため」「在宅避難と仮設住民の再会の場」「住民と支援団体の交流の場」を目的として、2012 年から開催している夏祭りです。太田ゼミと他団体が協力して行い老若男女が楽しめるお祭りを目指し、住民の方からは「楽しかった!」「懐かしい盆踊りをみなで踊れてうれしかった」「良い出会いの場
になった」という言葉をいただきました。

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コスモス祭には 2011 年から交流が続いている吉田富男さん、チヨ子さん夫妻をお呼びして「陸前高田の今と未来について」というテーマで座談会を行いました。お二人は現在、モビリアから離れた生活をしています。「モビリアにいた頃は家を出ればすぐに知っている人に会えたけど、新しい家はまだ周りに家も建っていないので近所もいないから仮設住宅にいた時のほうが楽しかった」という仮設住宅を出た人たちの孤立や、負い目についてもお話をいただきました。

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太田ゼミの私たちはメディアからの情報と現地の実情の違いに驚きつつ、モビリアを通じて住民の方々が力強く生きていらっしゃる姿や、私たちを受け入れてくださる優しさに感銘し、学生が復興支援活動に携わることの意義を考えました。学生が陸前高田の方々から受ける影響の大きさ、学んだことを伝えることの重要性も実感しています。プレゼンを行った小林千紘さん、岩崎那奈さんの二名は「4 年近くの月日が経ち、震災の風化が見られる。仮設住宅を出たあとの負い目や孤立が起こるので、仮設から出るまでが支援ではない。今後どのようにモビリアに残る人、そしてモビリアを卒業していった人に関わっていくべきなのか。更に、ゼミという形で活動を行う私たちはゼミ生の卒業と新ゼミ生の加入が短いサイクルで繰り返されるので、ゼ
ミ内での意識の差は大きいなど、課題は山積みだ」と今後のゼミのあり方と問うとともに、今後も被災地とつながるという強い決心が見られた。

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2015 年 2 月 20 日 文責:文学部比較文化学科3年 河澄由希子