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息子(4)の手術の話:おわり

「僕の子どもがもし同じ状況だったら…

 手術……しないと思います。

 前回は、短い期間で腹痛が複数回あったのを
 聞いたんで、手術を勧めたんですが…。」

これは、信頼する担当医師の言葉だ。

手術をするかしないか、
決定させるときに言われた言葉である。



…少し時を戻して、詳細を綴ろう。


3ヶ月、考える時間を与えられた僕ら夫婦は
折に触れて息子の手術の話をした。

2人の一致する意見は出ないままだった。
3ヶ月あっても、だ。



どうして意見は一致しなかったか。
理由は明確。
日によって意見が違ったからだ。

ある日は僕が「手術をしよう」と言い、
その日は妻が「やっぱり不安」と言う。

気持ちの変わった僕が「やっぱ不安」と言うと、
考えをあらためた妻が「手術しよう」と言う…。



こんなやり取りが数日、
果ては3ヶ月続いた。


…前回の検査入院から3ヶ月の間、
息子には腹痛が一度もなかった。

腹痛で苦しんでいる姿を忘れるほどだ。

むしろうるさくて嫌になるほどだった。

マジでうるせー。



そんな姿を先生に伝えたところ
冒頭の言葉が返ってきたのだ。


…僕ら夫婦は目を合わせて頷いた。

先生に相談する前に
一つだけ決めていたことがあったからだ。



その決め事は

「先生が手術と言ったら手術。
 必要なさそうなら、様子見。」

という至極、シンプルな決め事だった。



先生に責任を投げているようにも思えるが、
「先生の勧める行動をとる」
という選択をすることこそ僕らの責任に感じた。


そして、

「心に留めてほしいことが2つある」

と先生から伝えられた。

1.
手術をしない=安心
ではないこと。

2.
腸回転異常症がある
ということを常に頭に入れて行動すること。



「特に大事なのは2で、何かあったときに腸回転異常があるかないか知っているだけで医師の行動が変わります。子どものうちはご両親が、大きくなったら自身で医師に説明できることが強みになります。腹痛、嘔吐があったらすぐに病院に行く、これを念頭に置いているだけでも『腸の摘出』や『死亡』のリスクはぐっと下がりますから。

何かあったら、すぐ僕に相談してください」

…心強かった。

本当に心強かった。

もはや先生の家の隣に引っ越したかった。笑



良い先生に出会えたこと、
息子の症状をあらかじめ知れたこと。

これらを前向きに捉えて、
これからも一緒に暮らしていこうと思う。 


*「息子の手術の話」と銘打って始めたnoteのわりに、手術をしなかった。

これは一種の釣りかもしれない。

…が、書いて良かったと思う。



ここまで読んでくださった方がいるし、
これから読んでくれる人に向けて

「腸回転異常症で手術しない人もいるんだ」

と思ってもらえる記事になると思うから。

暗い内容が多かったけど、
息子も僕もとにかく元気だ。

昨日も

「お尻フーリフリ♪
 みんなフーリフリ♪」

とか言って、生ケツ出して笑っていた。笑


「いやそのダンスどこで覚えてくんねん」

みたいな。笑

ここまで読んでくださった方、

感想を教えてくださった方々、

ツイッターを通じてリプをくれる方々、

本当にありがとうございました。

みなさんのおかげで最後まで書けました。


「世界中の人々が幸せになってほしい」
なんて大それたことは思わない。

が、僕に携わってくれる方には幸せになってほしい。

こんな文章を最後まで読んでくれた方、

わざわざツイッターでリプをくれる方へ、

マジで幸あれ。マジで。

世界を救うことなんかできないけど、
携わってくれる方々には幸せになってほしい。切に。

そして最後に、

世界一愛している妻、息子、娘へ。



世界一幸せであってくれ。

家族の幸せのためなら

俺の時間なんかいくらでも差し出す。

ただただ、健康であってくれ。

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