マガジンのカバー画像

昔と今とみらいのこと

4
哲学、芸術を中心に。たまには昔話でもしましょう、と。思ったことや考えたことを、伝えたいのか、なんなのか、表現します。
運営しているクリエイター

記事一覧

始終と終始

今日はそこそこ真面目に、産業・組織・心理学を用いて、職場におけるストレスについて、語ってみようと思う。なにしろ、4月1日は多くの人々にとって、転換されるタイミングであるためだ。ここ数年は、関係する組織内で若手の育成に関わっていたり、顧客でも組織開発を担う役回りをすることもある。そこそこ真面目に語れるようになったと自負している。一応、研究者として認識に齟齬が発生しないように、学術用語を用いるかもしれないが、その下に、雑な言葉を置いておく。大雑把に言って、雑感であることをあらかじ

さとり世代と哲学的ゾンビ

この自己と他者が精神レベルで隔離された感覚を,ゆとり世代は持っている気がする。SNSの写真も文字列も,プロフィール写真はもちろん偽物だし,友人は自分の視界から消えたらシャットダウンされて,翌日に学校に現れたようにプログラムされているかもしれない。家族だってそうだ。そうなると彼らを騙したり,罵倒したり,傷つけても許される。だって彼らは自分と同じような感情ではないのだから。 このところ気づいたのは,コーヒーを飲むと集中できるということだった。特別,好きな飲み物ではないし,味の違

五感の拡張が最高のラグジュアリー / 芸術の捉えかた

1)そもそも芸術とはなんなのか 2)文化産業っていまどうなっているのか 3)日本における芸術のありよう を、書いてみようと思い立った。 実に芸術について書くのは難しい。筆者自身も実に数ヶ月前に若手芸術家を集め、バーチャル企画展を開催した。その運営は困難で、あらゆる障壁にぶつかったのを覚えている。それは自身の彼らの作品への理解が足りない点(「理解」というと怒られた。「私の芸術は理解されるようなものではない」と。)、アート産業への不勉強が主な要因だろうが、やはり芸術というものは

死に至る病とは絶望のこと

『死に至る病』(1849年)は,デンマークの哲学者,キルケゴール(Søren Aabye Kierkegaard 1813-1855)によって書かれた本である。 私がここに記すのは,「実存主義」の創始者としてのキルケゴールではなく,絶望の暗黒面を心理学的に掘り下げ,人間というものの本質を激しく追求したものとして,だ。ぜひ,「人間とはなにか?」という問いについてのあるひとつの回答,とくに200年ほど前に頭の良さそうな人の回答として,みて欲しい。 ひとことことわっておきたいの