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『FACT FULNESS』ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド:知らないことは恐怖である

突然だが以下のURLをクリックし、クイズに挑戦してみて欲しい。

あなたは何問正解することができるだろうか?

今回紹介する『FACT FULNESS』の要素はすべてこのクイズに凝縮されている。

このクイズの正解を確認したとき、

人はどれほど

思い込みや勘違いをベースにして生きているかを思い知らされる。

世界では凶悪犯罪がますます増えているし、

貧富の差は拡大している。

自然災害はとどまることを知らず、

途上国はいつまでも途上国のままである。

この文章を読んだときに

誤解を恐れずに言えば、

大抵の人は何を当たり前のことを言っているんだと、思うだろう。

連日、様々な悲しいニュースが報道され、

有識者も世界がどんどん良くない方向に進んでいる。そう語っているじゃないか。

そんな声が聞こえてくる。

しかし、

ファクトベースに物事を見たときに

これらの記載はすべて事実とは異なっている。

そのことを

議論の余地のない数字から、本書は明示する。・

にも関わらず、

多くの人、

大学教授や科学者、大企業の役員やジャーナリスト、政治家など

一般的に知識レベルが高いと思われる人でも

このファクトを認識できていないのである。

それが

著者であるハンス・ロスリングが

長年様々な場所で

何千もの人々に

上記の様な問いかけを投げかけてきた上での結論だ。

本書ではその原因を

人間が抱える10の本能で説明し、

事実から世界を見た上で

ビジネスや政治、自分の行動まで含む意思決定の方向性を決めていくべきであると説いている。

「この本の教えが”世界の姿”だけではなく”自分の姿”を見せてくれる」

訳者である関美和さんの後書きの記載が印象深い。

自分は世界を、きちんと理解しているとは限らない。

間違った認識で

間違った判断をしている可能性が多いにある。

そのことを意識するだけで

世界を見る姿勢が少しでも変わるのではないか。

無知の知という言葉がある。

人間は傲慢で

自分を賢い存在だとすぐに思い込んでしまう生き物である。

ただその事を

少なくとも意識している人間ではいたいと、私は思っている。

本書を読んでそれは一層強い思いになった。

謙虚であること。

思い込みに捕らわれていないか、常に考えること。

事実から物事を判断すること。

少しでも世界を正しく見つめ、判断するために、

自分への楔となる一冊である。


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