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SELECTION PROJECT 第六話 おそらくは物語の節目



後半戦になる六話目から何というか結構地味に山盛りな内容だった。

第二次審査のお題はサマーソング

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しかも個人戦でごまかしがきかない状況で主人公の鈴音は何かおかしく…?

という回だったが

特に今回大きいと思ったのが各キャラクター性が表に噴出したことだ。

「もう既にでていただろ」と思うかもしれないがそれは視聴者目線の話で

今までは各人の表面的社交性→各チームの人間関係で済んでたのが

全員の場でここまで深くさらけ出すことはなかった。


特に興味深かったのが玲那で

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「言っておくけど私、不戦勝だけは絶対イヤだから」


これは姉と死別という理不尽な別れのトラウマなのは疑いようがない。

姉の意志を継ぐ決心の裏におそらく「姉だけでなく自分も見てほしい」

という玲那の心理が今まで ほのかに見えていたがそれらにこのトラウマも

加わってあの過剰ともいえる実力主義の性格が形成されたのだろう。


広美もここでクローズアップされてきた。


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元々気が強く人好きなわかりやすい関西気質なキャラクターだったが鈴音に

悩みを聞いてもらった恩もあるせいか、いち早く鈴音の異変に気が付いた

リーダー気質を発揮して話し合いの場を設けるがそれがかえって逆に…。



少し意外だったのが凪咲と詩だ

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「ふーん、じゃあわざとジラす作戦って認めるってこと?」

最初は冗談めかしに水着を着ないのはじらすためかと言ってたが

話し合いの場ではじらすためなのか真剣にむしろ詰問に近い言い方だった。


凪咲は母親の職業を見て育ってその道に進みたくないからかアイドルを目指している。その割に自分の可愛さを、女の武器をあざとく前に出すことはためらわない。

つまり正々堂々とした表舞台の光り輝く可愛さという形でアイドルを目指しているのだろう。

だから鈴音の何か奥歯にものが引っ掛かったような行動が策謀のように思えて自分の目指すものを馬鹿にされたように感じたんじゃないだろうか。


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「大切なことだからきちんと話し合ったほうがいいと思う」

詩はさすがに子役時代の経歴が長いだけあって冷静だった。

冷静だけど例えば普通のオーディションならライバルが減るから放っておけば良いのにちゃんと仲間としてもみている。

冷静ではあるけどプロらしい冷酷さはなかった。


それにしても鈴音の悩みはきつい

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「この夏はみんなにとって一度しかないから…」


男から見れば鈴音の悩みは「それだけの傷で?」と思うかもしれない。

でも「アイドルを目指す」「十代の」「女の子」にとってこれはかなり重い問題だと思う。

何よりきついのがそれをみんなの前で告白しなければいけない状況になったということだ。

十代のころ自分のコンプレックスをみんなの前で告白したい人はどれくらい

いるのだろうか。


天沢灯の死別はある意味物語らしい重さを持ったエピソードだが

これはあまりに生々しいエピソードだ。


今回はいわゆる起承転結の谷間にあたる部分でこれから

主人公は上り続けるだろうけど

キャラクター掘り下げの回と同時にこれから物語の方針を占う回でもあったように思う。


リアルのオーディションなら自分のことだけ考えて、むしろ相手が落ちるように画策するのも珍しくないだろう。

でもこの子たちは違う。

みんな若々しくそして十代にふさわしい未熟さを持っていて、でもそれとおなじくらい未熟だからこその尊さをもっている。

できれば全員受かってほしいものだが。

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