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6.may 2010 生活用コンテナ、それが私の所有物の全てだった。 遥か高いところを雲が覆っている白い空がどこまでも続いていた。そこはいつでも冷たい夜風が吹いている。 外を眺めていた窓を閉じる。自分のコンテナの中を見渡した。コンテナの中はほとんどアパートの一室のようなものだった。あらかじめ用意されていたシンプルな家具に、真新しい壁、ガラスの窓、低い天井、コンパクトな空間。与えられたのはそれだけだった。 近くに聳えているビルは、まるでそれが全てのものを裁く権利を有する