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ショートストーリー集 不思議な場所の話が多い
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2022年9月の記事一覧

Take Me Hand

ベッドに入ってから一体どれだけ時間が経っただろう。窓枠に切り取られた月明かりは、カーテンと共にゆるやかな風に揺れた。 夢の中はいつも同じような月夜だ。 暑さも寒さもなく、ただ不安がある。 私はそれが夢だとほとんどの場合見抜いてしまう。 するりとベットをすり抜け、寝静まった家の裏戸から草むらを掻き分けて、私はありもしない川辺へ降りて行く。流れる小川の水面が月明かりを反射して輝く様を、今まさに見ているかのように思い描くことができる。蛍が飛んでいる。 その川辺の岩に腰掛けている人