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送別会のハムレット

シェークスピアの有名な戯曲「ハムレット」の
「生か死か、それが問題だ」
は、有名なフレーズだと思う。

ただ、「to be or not to be, that is question」の訳は他にもあって「なすべきかなさざるべきか、それが問題だ」というのもあるようだ。

なお、美大受験生がデッサンの試験の際に2Bの鉛筆を使うかで悩むという「2B or not 2B, that is question」との英国のジョークには笑ったけど。

余談はさておき、今の時期は4月1日からの新年度を控え、入社により故郷を離れる、或いは異動により新たな職場に移るといった人が多い。当然、その人達への送別会のシーズンでもある。

一方で、コロナ禍は終息の気配が見えず、昨今は第4波の声がかまびすしい。そういう状況下で送別会をやって良いのか? との疑問の声も少なくない。

それを意に介さず厚生労働省の一組織がやっちゃったところ、

世間の指弾は激しいものがあり、課長が事実上更迭されるに至った。

本件、冷静に考えれば業務時間外のことでもあり、その時間をどのように過ごすかは本来各人の自由意思に委ねられるべきである、とは思う。

とはいえ、自分たちが新型コロナの直接の対応部署ではないにせよ、同じ組織内に取り組んでいる部署があって、飲食店に営業時間の短縮をお願いしている中では、このような正論を唱えても「是非もなし」である。

送別会は浮世の義理が具現化したものでもあり、親しい人との別れを惜しみたいのは人情でもある。感染リスクとの狭間で送別会を開くか否か、あるいはそれに出席するかしないかは、まさにハムレットの心境にならざるを得ない。

私は社内で感染予防を呼びかける立場上、義理を欠き人情に薄い人間として振る舞っている。本意ではないものの、これはやむなしであろう。

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