被災者の取り上げ方についての懐疑
今日は帰宅時にポツポツと雨が降ってきました。これは想定外でしたが、何とか傘を差さずに家までたどり着けました。やれやれです。
さて、……。
ここのところのニュース報道において、能登半島の地震を取り上げたニュースが冒頭に、かつかなりのボリュームで報じられる。このこと自体は決して悪いことだと思わない。
しかし、報道の内容については若干違和感を感じている。具体的には、例えば断水が続いて困っているといった声を全国に放送する意味って何だろう? ということ。
逆に、一部の地域で水道が復旧したニュースも見た。でも、これもこの伝え方だとミスリードしかねないなあと感じた。
まず、被災者を画面に登場させて「水が出ない」と訴えさせることについて。それが解決につながるのかという疑問が湧く。そして、放送後にその人に対して変な圧力がかかったりしないかも心配してしまう。
そういう話は、ニュースで訴えて何とかなる確率は低い。テレビ局が何とかしてくれるわけではないからだ。まずは行政や地域の区長さんに持ち込むべきことではないかと考える。
そして、それがうまくいっていない場合において、その要因をテレビ局が取材して調べ、報道の立場で客観的に語るべきだと考えるのだけど、違うだろうか。
また、一部の地域で水道が復旧したというニュースであるが、このこと自体は心から喜ばしい。でも、まだ断水が続いている地域がたくさんあることをセットで伝えることも必要だと考える。
ぶっちゃけ、東京に住んでいてこれまで石川県に地縁がなかった私は、石川県の市町村の位置はかなりざっくりとしかわからない。まして自治体内の地区の位置となると全くイメージが湧かない。
これを何の注釈もつけずに全国に放送することで、そそっかしい人はほとんどの地域で断水が解消したかのような誤解をしてしまったりしないだろうか。
一案として、一覧表と色塗り地図で、現状ここまでは断水が解消したという情報までセットにしないとミスリードしてしまうし、そのことを危惧する。
世の中には感動ポルノという言葉がある。これは性に関する扇情的な意味は全くない。障害者に対して健気さ前向きさを必要以上に強調した番組構成がなされることに対する障害者からの批判として出た言葉である。
同様の構造が、被災者に関するニュース放送にも持ち込まれていないだろうか。少なくとも被災者を登場させて語らせるだけではなく、もっと「こういうことを伝えたい」という報道側の意図を取り込んだ内容にすべきだと思っている。
言葉が過ぎた点があれば謝るが、全く間違っているとまでは思っていない。
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