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老人の私的なお付き合いは、ほぼ減る方向にしか進まない

相変わらず寒いですね。梗塞などに見舞われないよう血行をよくするためにも、たまに体を動かしましょう。

さて、……

既報の通り、母が老人ホームに入居して実家は空き家となっている。

そのため、郵便物については私の家に転送する手続を取った。これは、郵便局の以下のサイトからでも申し込めるので、そのようなニーズがあるなら是非手続されることをお勧めしたい。但し、1年毎に更新が必要である。

若干プライバシーの侵害になるかも知れないとの疑念もなくはない。しかしながら母の世代になると、母のプライベートの知り合いからの手紙はまず来ない。

なぜそうなるのか? 私の推測する原因は、以下の通り。
・かなりの方が鬼籍に入っている。
・存命であっても、認知症を発症している可能性がある。
・認知症を発症していなくても、字を書く能力が著しく減退している。
・字を書くことができても、住所の書かれたものを探しきれない。
・手紙を完成させられても、ポストまで行けない。

年賀状でも「加齢のため、今後は年賀状を控えさせて頂きたく、ご理解の程お願い申し上げます」と書かれたものが数年に1枚程度送られてくる。老人にとっては、年中行事の年賀状すら負担になるということなのだろう。

このようなことから、公的な通知・手続書類かセールスDMしか来ないので、転送手続はやむを得ないと考える。

そもそも母達の世代では、携帯電話ですらまともに使いこなせている人はそう多くなかった。何とか電話のやりとりができる程度という人も少なくなかったと思う。だから、メールを使えない人も結構いるはず。

実際、携帯電話の仕組みを正確に理解できていなかったのではないかと思われる人もいた。

ある高名な落語家の師匠は携帯電話への着信に出た後「アイツは何で俺がここに来ているって知っているんだ?」と言ったとか。コードレス電話との区別ができていなかったようだ。

老人にとっては、固定電話か手紙やハガキが遠くの者との通信手段のほぼ全てであると思われる。

しかし、老人ホームの居室には固定電話は引けないし、アナログな手紙やハガキも事実上送られてこないとなると、個人的なやり取りはどうしようもなくなってしまう。

かくて老人の私的やり取りは行われなくなり、お付き合いも消えてゆく。

お読み頂き、ありがとうございました。

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