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AIと人の関わりについて疑問に感じること

今日も曇天でした。気温も低く益々出不精になる一方だなと思いつつも、昼食は家族分の用意が必要でした。やむなく気合いを入れて買い出ししてきましたが、やはりもう一枚羽織っていけば良かったと後悔しました。

さて、……

話を始める前に、自分が小学校~高校の間に学んだ社会科の知識をおさらいしたい。それは、産業構造についてである。

第一次産業は、自然界に働きかけて直接に富を取得する産業、具体的には農業、林業、鉱業、漁業(水産業)である。

第二次産業は、第一次産業が採取・生産した原材料を加工して富を作り出す産業、具体的には製造業、建設業、電気・ガス業である。

第三次産業は、第一次産業にも第二次産業にも分類されない産業が分類される。小売業やサービス業などの無形財がこれに該当する。

このような分類を行ったクラークは、経済発展につれて第一次産業から第二次産業、第三次産業へと産業がシフトしていくことを提示した。

これらの分類自体は、何となくそんなものかと思っている。しかし、今の産業構造はこのように単純ではなくなっている。

例えば農業では、株式会社化等により労働集約型に舵を切って生産性を上げ、多くの収益を上げるようになった例が複数出てきている。種を播いて、後はお天道様次第というのが第一次産業であれば、このような動きは第二次産業にシフトしてきていると言える。

漁業も同様。単に海に出て魚を捕るだけでなく、養殖も盛んに行われている。これも第二次産業の要素を多分に含んでいる。

このように「〇〇業だから第N産業」という分類は、今では短絡に過ぎて正しくなくなっている。そういう前提を頭に置いて考えることが求められる時代になった、とも言えるのである。

昨今「AI技術が進むことで、製造の大部分に人が関わらなくなる。だから、人間は人間にしかできない創造的な分野で仕事をするようになる」というようなことが言われる。でも、これって本当なのだろうか。

AIは、線形代数で「Aではない、Bではない……」ということを学ぶなかで正答に達するという手順を踏む。従って、全く前例がなく学んでいない場面においては、正答に達することができない(数年前に聞いたことなので、今もそうかは不明)。

これが、創発的な脳を持つ人間にAIが未だ及ばない点だと思っている。

そもそも、農作物を育てるのも、魚を捕るのも、工芸品を作るのにも、今のところ名人・達人と言われる人がいる。彼らが不要になるとはとても思えない。

また、そういう腕利きの名人・達人だけを最初から選りすぐることはできない。多くの同業者がいて、各々が切磋琢磨しながらもその中で一目置かれる存在が出てくるという流れを考えると、一定程度の母集団が必要だと考えられる。

そして、名人・達人の域まで達すれば良いが、残念ながら最後まで行き着けなかった人というのが絶対に出てくる。それでも、その業界でピンにはなれなくても、その周辺で生計を立てている人は少なからずいる。

これらのことを考えると、AIが人間の能力を完全に代替し、「人間は人間にしかできない創造的な分野で仕事をするようになる」というのは、嘘とまでは言わないものの相当先にならないと実現が難しいとは感じている。

未来予測はさまざまあるが、いずれもコントロール不能な変数があって難しいものだとつくづく思う。

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