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老夫婦の業務分担は、ある意味で諸刃の剣

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さて……

老夫婦が日々の生活を営む上で、業務分担することはよくある。私の実家の場合、調理、洗濯、部屋の掃除は母の分担、皿洗い、買い物、庭の木々の世話、風呂掃除は亡父の分担であった。

この分担が公平なのかはご意見もあると思う。でも、あの世代として見た時に、亡父はかなりやっている方に属していたと思う。

ただ、分担が固定化・長期化すると、お互いに相手の分担業務のやり方が分からなくなるようだ。いずれも生活に密着しており、やればできるのでは? と思われるかも知れない(私もそう思っていた)が、きれいに忘れてしまうらしいことがわかり、驚いたことがある。

それが端的に表れたのが、入浴。父が分担していた風呂掃除なのだが、当然お湯を出さねばならない。母は、その操作方法を知らなかったのだ。

厳密には、ガスのスイッチは台所と風呂場の2箇所にあり、台所のスイッチは母も使っていたものの、風呂場にも連動することが頭の中で結びついておらず、かつ風呂場のスイッチの形状が台所と少し違うことが原因だった。

葬儀が終わって私が帰京した後、介護スタッフから母が風呂を嫌がっていると連絡があった。最初は父が亡くなった場所だからかと思っていたら、単純にお湯の出し方がわからなかっただけということが判明し、まさに呆気にとられてしまった。

人という字は、「/」と「\」が支え合ってできていると聞くけれど、片方を失うと他方も立てなくなることを、改めて知った次第。

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