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やらかしちゃった朝ドラの万太郎に思うこと(後編)

今日は一段と電車が空いていました。少しずつ休みを取る人が出てきているからでしょうか。お盆に向かって、しばらくはこの傾向が続く……と良いなあと強く感じます。

さて、……。

今回は、前回書いた以下の記事の続きである。

改めて私自身の過去の経験を省みると、学会誌等では「◯◯教授のご指導を頂き、□□教授の大変有意義な業績に着想を得て」「学会様からのご協力を頂いて」など、お礼や賛美の言葉が緒言や結言にあふれている。そういう世界なのだということに気づく。

だから今回の場合、自分が書いた論文であっても、関係性を考慮して指導してくれた人間の名前を執筆者に加えるのは作法であり、万太郎は無作法極まりないことをやってしまったことになる。

これから自分で調べるつもりだったと抗弁しても、何も手掛かりがないところから取り掛かるのはものすごい労力と時間が掛かる。それを数分で道筋を付けてポイントまで明示した田邊教授は、少なくとも連名に値すると自分は考える。

常に自分以外の同業者に敬意を表す雰囲気は医師の世界にもある。我々も普段行く医院では対応不可でもっと設備の整った大病院に行くことを勧められた経験があると思う。その時には紹介状を頂くのだけど、宛名に「◯◯先生御机下」と書かれていて驚いた。やはり、常に敬意を表し続ける必要があるのだ。

こういった言外の慣わしを知らないと辛くなることが多い。私の恥を晒すと、私自身も博士号を持つ人間はDr.と呼ばねばならないことを、入社して20年くらい経ってから知った。Mr.では失礼にあたるのだという。

私の場合は注意してくれる人がいたので全く問題にはならなかった。でも、こういうことはどこかで学ばなければ知らないままになってしまう。

「何だくだらない!」と思う人もいることだろう。でも、そういう世界に入ろうとするからには、その世界の慣わしに慣れることから始めねばならない。それを変えたければ、自分がその世界に入りある程度認めてもらう必要がある。そうでなければ、誰も話を聞いてくれない。組織は中で権限を持った者の指示がないと変わらないものである。

現状を外から批判するだけでは、味方になる人は少ない。朝ドラの今回の部分は、そういう点を改めて私たちに教えてくれたように思う。

お読み頂き、ありがとうございました。

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