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空襲に関するうら悲しいお話を書いてみる

今日は、おやつ時から雨が降ってきました。明日まで続くような予報が出ており、週の初めからイヤだなあと率直に思っています。

さて、……

唐突だけど、戦争中の空襲に関して中学時代の先生に教えられたことをふと思い出した。それに関連して、あなたに質問してみたい。

  • あなたは国民学校(今の小学校に相当)の生徒、少国民としてお国のために尽くしたいと思っています。

  • 今はまだ働けませんが、しっかり勉強していずれは立派な兵隊さんとして勇敢に戦いたいと考えていました。

  • 当時の登校は、地域の子どもが一箇所に集まり、隊列を組んで学校に向かいます。空襲があった時に備えてのことでした。

これらの状況を、頭に入れて頂きたい。そして、不幸なことに登校途中、見通しのよい原っぱに差しかかった時に、敵機が来襲してきた。その時、あなたはどうしますか?

どうするって言われても……となる人が多いと思う。せいぜい走って逃げる、くらいではないだろうか。

当時の登校班の班長は、このような場合には全員に対して「敵機来襲! 伏せ!」と指示したという。

では、どのように伏せたでしょうか?

隊列を組んで行進状態であることを思い浮かべて頂きたい。隊列をどうするのかである。

客観的に正解かは置くとして、当時の少国民達は班長の号令一下、隊列を飛行機の侵入方向に向けて整え、侵入方向に対し90度の方向に頭を向けて伏せていたそうである。

つまり、横腹を見せていたということになる。

私は最初その話を聞いた時に、率直に弾に当たる確率が高くなるんじゃないの? と思った。むしろ、隊列を飛行機の侵入方向に向けて整え、侵入方向に頭を向けて隊列全体が一直線になる方が的が小さくならないか、と考えたのである。

しかしそうではないらしい。

飛行機は飛ぶ際に、風況にもよるが左右にはぶれにくい。実際、映画等での機銃掃射の軌跡を見ると、ほぼ一直線に並ぶ。つまり、侵入方向に対し隊列が一直線になると、登校班全員に弾が当たってしまう可能性がある。

一方、侵入方向に対し90度の方向に頭を向けて伏せると、隣の人間との間が開く。機銃の弾を撃つ早さにもよるけれど、伏せた人間の間に弾が入って全員に当たる確率は低くなる。

このような理屈を基に、少国民達はかなりの緊張感を持ちつつ登校していたそうである。この対応が本当に正解なのかは、私には分からない。

なお、この話には余談がある。当然、登校班も理屈だけでなく、日々その実践のための訓練をしていた。班長も所詮は人の子で、普段から気に入らない子も当然いた。

彼はわざとその子が水たまりに近づいた時に、訓練として「敵機来襲! 伏せ!」と指示を出したと言う。言われるままに水たまりに浸かればそれで良し、水たまりを避けて伏せようものなら鉄拳制裁である。

命を守る行動を訓練しながら、人に対するイジメを行う。人間は子どもであっても、時にこのような行動をしてしまうものなのだと知って、悲しくなったことを思い出した。

お読み頂き、ありがとうございました。

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