見出し画像

定年年齢の引き上げ③(実力以外の幸運を知るべし)

定年年齢の引き上げは、定年があることが前提。定年まで勤められるということは即ち、現状で職があって、定年到達年齢まで大過なく過ごせたことの裏返しでもある。

今は、正社員であること自体がステイタスとされる。バブル期には「リーマンだけにはなりたくない」等と蔑まれたことを知っている世代としては、隔世の感がある。

これまで正社員として勤められたのは、今の勤務先に入社でき、かつ個人の努力と我慢と一定以上の業務遂行能力があったのは間違いないだろう。それは、卑下すべきことではない。

一方でそれは、勤務先企業や社会を取り巻く環境が「たまたま」それを許すことができたという、自分の努力ではどうにもできない偶然と言ってもよい事情があったことにも意を払う必要があるだろう。

就職活動がバブル期と重なった人は、それだけで恵まれていただろうし、逆に就職氷河期と重なった人は、それだけでかなりのハンディとなっただろう。それを個人でコントロールできた人はいないはずである。

また、世の流行りすたりというのはあって、花形産業も変わる。優れた技術を習得していても、その技術を用いる製品の需要が減ればその分野での就職が難しくなるし、既に就職していても配置転換の対象となり得る。

そう考えると、今の境遇はやはり自力と運によるものだと言えるだろう。ここで、運に恵まれた部分があるとの認識は謙虚さを生み、定年後の生きやすさに直結すると私は考えている。

読んで頂いただけでも十分嬉しいです。サポートまで頂けたなら、それを資料入手等に充て、更に精進致します。今後ともよろしくお願い申し上げます。