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秋の鬱②

よく「鬱は心の風邪」と言われる。つまり、鬱は誰でも掛かり得るもので、珍しくはないというニュアンスで使われる表現である。

鬱の原因は、心理的なストレスにより脳内のバランスが崩れることだと考えられている。ストレスで脳の一部の神経細胞の形に変化が生じ、感情や考え方のゆがみを引き起こすのではないか? と。

心理的なストレスの代表は、悩みや不安であろう。それらを何とかしようと真正面から捉え、突き詰めて考えがちな人は、鬱になりやすいとされる。

ここで、悩めるのも高い能力の裏返しである、と理解することもできる。即ち、「頭がよく回る」と。ただ、それが裏目に出て「無駄にあれこれ考え過ぎる」だけだと考えるのである。

我が母のことながら、尋常小学校で副総代を務める程度にはできる子であった。総代とは、今で言う学級委員のことである。現在とは異なり、当時は成績で決まっていたと、元気な時に母は自慢げに言っていた。

かつて自分ができる人間だったと万能感を持っている人ほど、己の今の姿に強烈な能力の喪失を感じることになる。その喪失感によるつらさは、かなりのものだろう。

私は鬱について、この喪失感の処理が課題だと思っている。

読んで頂いただけでも十分嬉しいです。サポートまで頂けたなら、それを資料入手等に充て、更に精進致します。今後ともよろしくお願い申し上げます。