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これだけ重なれば、そりゃ怒るでしょ?

朝は冷え込むものの、昼間は温かい日が続いています。温かくて助かるような、もう一声欲しいような気持ちになりますね。

さて、……。

日テレのドラマの原作者・芦原妃名子さんが自ら死を選んだ。 心より深く哀悼の意を捧げたい。

この件について、ネット上では大きな話題になっている。

ドラマ制作サイドとの不調も取り沙汰されている。それが原因なのかは不明。ただ、本件についてのネットの取り上げ方を見ると、現段階では炎上という表現は当たらないように感じる。冷静なトーンのものが多いと思っているからだ。

それでも、日テレ側に対する批判の声は大きい。今回の件にこれだけ大きな批判のうねりが起こっているのは、さまざまな遠因があるからだと思っている。言い換えれば、直接本件に関わるものだけではないということ。

人間は、自分が軽く見られれば不快に思う。自分の思いを汲んでもらえなければ不満を感じる。また、自分が相当だと思う以上に厚遇されている人間には嫉妬の念を抱く。不正義には怒りを抱き、そのような行為をする人間に嫌悪の念を持つ。

ここ数年、前段落に書いたようなことばかり起こってきたと感じる。上級国民は人を跳ねて死なせても逮捕されない、検察の偉い人間は賭け麻雀をしても捕まらない、桜を見る会の件もうやむやのまま。パーティーによる裏金での立件はよほど高額の者以外は事実上セーフ、有名な漫才師は不道徳な飲み会をやっていた。

一方で、税金も保険料も上がる一方、給与は増えないのに物価は上がる、鳴り物入りの少子化対策もあれこれ条件を付けて骨抜きにされる、夏の酷暑はますますひどく、集中豪雨被害は毎年のように発生。そういう中で能登半島地震が起こった。

社会に鬱積していた不満は、私が想像していたよりも大きいようだ。これらのもろもろが幾重にも重なった中で、国民の怒りの沸点は下がっていた。そこに今回の自死が起こった。

テレビ局は原作者の漫画家とは比較にならないくらい大きな影響力を持つ存在。原作者の思いを汲まないドラマ作りをしたようで、それが原因だと断定はできないものの時間的に影響皆無とも言えない状況で、今回の最悪の事態が起こってしまった。

その事実がネット上で明らかになるや、燎原の火のごとく日テレやその他テレビ関係者への不満や怒りの声が広がることになった(←今ココ)。そりゃ怒るでしょ? と思う。

元々テレビ関係者は「業界人」として選民意識をちらつかせてきた。実際、芸能人が結婚相手に非芸能人を選ぶと、報道ではわざわざ「一般の方」という伝え方をする。

自分達は特別という意識が垣間見えるが、下に見られていると薄々感じていた一般人の不満を掻き立ててきた。それが今回の件に対する反応により大きな拍車をかけたというのが私の見立て。

つまり元々溜まっていたフラストレーションにより反応力が増幅されたと思っており、その点では日テレに運がなかったとも言える。しかし、そこに拙い釈明をサイトに載せたことで更なる燃料を投下したのも確か。事ここに至ってはどうにもならない。

ネットでの情報発信が簡単になっている時代。もう少しへりくだる態度を示しつつ素人には真似できない内容のものを創出して放送していかないと、差別化が難しくなる。これは即ちテレビ局の存在意義にも関わること。それなのにどうも危機意識が薄いように感じられ、残念に思う。

お読み頂き、ありがとうございました。

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