見出し画像

昭和ブームに思うこと

昼はそこそこ温かくなりました。天気予報通りです。ワイシャツ一枚ではちょっと厳しいものの、数分なら耐えられる程度の気温でしたね。

さて、……。

最近、昭和を取り上げたテレビ番組や雑誌の企画記事等が目につく。恐らく流行っているのだろう。

ドラマの「不適切にもほどがある!」は、どちらかというと昭和下げな面もあるけれど、それでもストーリーに昭和が取り上げられていることは間違いない。

自分は昭和に生まれ、平成への移り変わりもバッチリ体験・記憶している。そういう者から見た昭和について端的に語るなら、エネルギッシュではあったが品格には欠けた時代であったという評価になる。

なお、言うまでもなく昭和は64年まであった。元年と64年はそれぞれひと月もないが、それを除いた62年を丸々対象とするのには無理がある。太平洋戦争前は言うに及ばず、戦争直後の混乱期もまず含まれない。大抵は高度経済成長期以降が対象とされていると感じることが多いが、いかがだろうか?

高度成長期には、日本経済は復興を終えて飛躍の時期を迎えていた。世界中にメイドインジャパン製品が輸出されるようになり、好不況の波はあったが基本的に上り調子が続く。そして、働けば働いただけ実入りも増えた時代である。

そういう時代を背景にした文化や習俗は、当然エネルギッシュなものとなる。それがバブルに至って最高潮となった。

今の株価が過去最高値を抜いたとして話題になっている。その過去最高値と言われる比較対象は、平成元年末のもの。既に昭和は終わっていた。平成2年になってから、株価は下がり始め湾岸戦争で一気に下落する。ただ、ここまでいくと今回の話題からは逸れる。

高度成長からバブルにかけて、音楽もトレンディドラマも勢いがあった。美味しんぼも連載は昭和から始まった。服装も髪型も垢抜けてオシャレになり、遊びも多様化した。そういう点では輝いていた時代だったと思う。

でも、イジメが社会問題化したのも、公害で苦しむ人がたくさん出たのも、受験競争が激しくなったのもこの時代である。金にものを言わせて土地を買い漁り、それを転売して巨万の利益を得ることも当たり前のように行われた。

ぶっちゃけ、個人主義がはびこりモラルは低下した。こういう昭和の負の面にスポットを当てて番組や記事が書かれているかと言えば、間違いなくNoである。

未だ元気がない日本人達を鼓舞したい気持ちは分かるし、そういう番組や記事に触れたい欲も理解するのだけど、昭和について「昔は良かった」とはとても思えない。それが、当時から生きてきた人間の正直な気持ちである。

ものごとを批判的に見ることは大事だけど、令和の良さにももっと目を向けるべきではないか。心優しい若者が増え、ツッパリ文化が滅びた現状を見て、心からそう思う。

お読み頂き、ありがとうございました。

読んで頂いただけでも十分嬉しいです。サポートまで頂けたなら、それを資料入手等に充て、更に精進致します。今後ともよろしくお願い申し上げます。