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季節のものを食べることの二重性

今日は朝から晴れました。夏空が一面に広がった1日だったと思います。それでも最高気温の更新といったニュースにはならなかったので、良かったですね。

さて、……。

「季節のものを食べる」こと。これは日本の美点の一つとされている。基本的に自然の状態で成熟した果実や産卵期の脂の乗った魚介類等、いわゆる旬のものを食べることを意味する。素材をうまさを最大限生かすということなのだろう。

ただこれ以外に、もう一つ別の意味もあると気付いた。季節のものには二重性があるということである。

というのは、今日の我が家の夕飯がポトフなのだと聞いて意外に感じたから。というのは、私のイメージではポトフって冬に食べるものである。

まず、ポトフの材料自体はニンジン・ジャガイモ・キャベツ・玉ネギにソーセージかベーコンあたりが定番だと思う。ここで、ニンジン・ジャガイモは秋、キャベツは冬〜春、玉ネギは春と初夏が旬なので、旬のものを食べるという観点からすると今は明らかに時期が外れている。

この素材の旬に加えて、熱々にしたポトフという調理方法も季節に似つかわしくない。言い換えると、調理方法も季節のものと言い難いのである。もう一つ別の意味というのはそういうことである。

とはいえ、暑い時に熱いものを食べることが健康につながるという考え方があることもわかる。冷たいものばかり食べていると胃腸が弱り、場合によっては食あたりや下痢の原因にもなることは否定し難い。

それでも、まだこれから夏本番に向かう今のタイミングでその対応をするのは、やや時期尚早のように感じられる。

……などなどと申し上げたが、ポトフは子どもが食べたいと言い出したもの。そうであれば素材の旬も調理方法の不似合いも是非に及ばすである。喜んで食べてもらえるものを食卓に並べる。家庭の食事においては、それが最優先事項だろう。

実際、ポトフの材料の野菜は今や一年中店頭に並んでいる。野菜の皮を剥くのは面倒だけど、これはカレーを作るのと大差ない。そして野菜もたくさん摂れるのだから栄養価バランスも悪くない。割り切ってかまわないと考えた。

最高の材料を最適な調理法で、とつい考えてしまうのは、私が今も美味しんぼの呪縛にとらわれているからかも知れない。自戒、自戒。

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