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まだ「お客様は神様」だと言う人がいることに呆れる

午前中はきれいに晴れていたのに、午後になって急に曇り始めて今は雨です。春を楽しむことがなかなかできません。

さて、……。

「お客様は神様」という言葉。日本の隅々にまで行き渡っているけれど、この言葉の元は三波春夫さんというのが定説らしい。しかも、本人が意図した意味は、全く異なるのだという。

三波春夫さんは、自分の歌を聴いてくれるお客様を神様に擬製し、神様を喜ばせられるだけの最大限のパフォーマンスを披露せねばならないという自分への言い聞かせの意味でこの言葉を発したらしい。

つまり、実際の客が神様だとは言っていないし、ましてその要求には何でも従うべきだとも言っていないのである。柄の悪い客の「お客様は神様」といった使い方には批判的だったという。

そもそも、まず客側の意識として、自分がリアルに神様だと思ってる人。こういう人は申し訳ないけど速やかに精神科に行って、しかるべき治療を受けられることを是非お勧めする。

そして、客に対しては神様のように敬って接すべきという考えを持つ人。あなたがそう思うことは止めないけど、それも個人の思想信条の問題であって、それを他者に強要することが今の時代に適切かという問題がある。

次に、お客様が神様と呼ばれるに値する資質を持つかも検証が必要。神様のようなと称される人は本来人格円満で、簡単には怒らない。まして他者にクレームをつけたりはしない。

ひとことで言えば尊敬される人格の持ち主でなければ、神様にふさわしいとは思われない。

神様だったら自分で欲しい物は自分で用意できるんじゃないかとも思うので、そもそも店に物を買いにきたりしないだろう。

無理難題を言う人は間違いなく神に値しない。その相手に時間を割いて心を病み商売がうまくできなくなるようであれば、疫病神以外の何物でもない。

そして最後は、自分がそういう「神様」になおお仕えしたいのだろうか、だろう。少なくとも私にそういう意欲はないけれど、頭を下げるのが習い性になってしまうと、そういうことすら考えられなくなってしまう。

昔、芸を披露する前の個人の心構えに過ぎなかった言葉が、誤用・拡大解釈されて今までずっと尾を引いていることは率直に不幸だと思う。

「お客様は神様」と言ってくる人って、自分が生計を営む上で他者からクレームを受けた時にもその人に頭を下げるかを想像すると、それはまずないだろう。そういうダブルスタンダードの人格的にどこかに欠陥がある人と付き合う必要はないはず。

そして、商売への影響を考えてみる。そういう人がどこかで悪口を言いふらしたところで、普段から彼らを見ている人というのはいるだろう。恐らくそれなりの評価をされていると考えれば、実際に自分の商売に影響が及んで被害が出ることも、あまり心配しなくても良いのではなかろうか。

神様になりたがるけど神樣にふさわしくない人に神経を遣うのはやめましょう。

お読みいただきありがとうございました。

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