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早い蚊の羽音に憂鬱になる……

世の中に かほどうるさきものはなし ブンブブンブと 夜も寝られず

江戸時代、松平定信の寛政の改革を揶揄した狂歌である。

「かほど」は「蚊ほど」と「これほど」の2つの意味が掛かっている。表向きは
「世の中に蚊ほどうるさいものはない。ブンブブンブと鳴る羽音で夜も寝られないよ」
という意味になるのだけど、その裏では
「世の中にこんなにうるさいものはない。何かと言えば文武・文武と押しつけてきて、夜も寝られないよ」
という意味になる。

「これはうまく引っ掛けたな、座布団3枚!」と言いたいところだけど、ことほどさように、蚊の羽音は昔からうるさいものとされてきたのが分かる。

そんなことを考えたのは、昨日庭で雑草を抜いていた時に、ついに蚊に襲われたからである。まだ5月も半ばで「もう出てきたのか」と驚いた。

まだ抜く雑草が残っており、退散するわけにもいかなかった。幸い刺される前に全集中の呼吸(もう、死語?)を以て迎撃、一発で仕留めることができた。

満足感に浸るのも束の間、これから先、庭に出る度にブンブブンブと襲われるのは率直にイヤだなと思う。虫除けを塗っても、僅かな塗り漏れ箇所を見つけて刺してくる。耳なし芳一状態である。

私の家の近くには暗渠があり、蚊の生育環境は充実している。だから、蚊の発生はやむなしだと分かってはいるのだが。

気象庁は昨日(5月15日)、「九州北部、四国、中国が梅雨入りしたとみられる」と発表。例年に比べかなり早い梅雨入りとのことで、それだけ夏の訪れも早まるとは思うが、既に始まった蚊のシーズンも長くなりそうで憂鬱になる。

刺されてもかゆくなければ、血の一滴くらい差し上げても良いと思う。でもそれ以上に、寝ている時の耳元近くの羽音は睡眠の質を大きく下げるので、やはり何とかならないか、との思いを禁じ得ない。

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