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暇とお金の両方得られたら、やりたいことはあるか

昔話で恐縮だけど、ふと思い出した言葉がある。

「暇はあるけど金がないのが学生、金はあるけど暇がないのが社会人」

これは自分が学生時代、就職したばかりのサークルの先輩に言われたもの。だけど、その先輩はまだ未婚だった。

実際自分が結婚して子どもを育ててローンを背負うと、社会人でも金がない。さりとて暇もないので、ないない尽くしである。

でも、定年がある程度視野に入る年齢になった。その頃には子供も自立して親の手は離れていると、若干の願望を込めつつも期待している。

もしそうなれば、金銭的な余裕が生まれる。そして定年後には暇な時間、それも学生時代よりも莫大な時間を得ることになる。

退職金の多くはローンの一括返済で消えるため、大金はない。それでも年金の支給開始により、2ヶ月おきに小金は入ってくる。

贅沢は無理でも、そこそこの生活はできよう。良い意味で人生のあがりの時と言えるかも知れない。

ただ、その時に自分が心からやりたいことがあるのか? あるとしたらどんなことなのだろうか? をたまに考えるものの、特に思い浮かばない。

一時、若者の自分探しが流行った。ありきたりの人生はつまらないと「本当の自分」を探して定職にも就かず、興味のあることにあれこれと手を染めたり、放浪の旅に出たりする者もいた。

そんな彼らに対し、「あれこれ考え過ぎだ。何でも自分の思うようになると思うな」的なオヤジ世代の批判の声は大きかった。

でもそれは、今まで安定した生活を送り定年後の時間と小金の見通しは得たものの、やりたいことを見つけてこなかったオヤジ世代の苛立ちではなかったのか? 今はその批判に込められた自己弁護もわかるし、その乾いた思いを素直に理解できる自分がいる。

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