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エンクロージャーは今の世でも続いている

涼しい一日を満喫しました。午後に行ったチョコザップのマシンも、今回は特に壊れていませんでした。ほぼ満足できる一日でした。

さて、……。

タイトルの「エンクロージャー」って何? 食えるの? と思われた方もおられるかと。でも、世界史か政治経済の授業の中で「囲い込み」という言葉は聞いたことがあるはず。

「ああ、あれか」と思って頂ければ幸いなのだけど、我々が学んだのは産業革命前に農村で細かい土地が相互に入り組んだ混在地制における開放耕地 (Open Field) を統合し、所有者を明確にした上で排他的に利用することである。

その結果として、土地の所有者ではない者は農村での職を失うことになった。彼らはやむなく都市部に流入して労働者となり、産業革命を支えることとなった。これが今のところの定説である。

ただ、ここで留意すべきは農村側では本来の狙い通りのことが行われ、生産性が高まったのは事実な一方で、そのために人があぶれたこと、そしてその者たちが都市部に流入し人口集中を招いたことは恐らく想定外だっただろう。

でも、この「副作用」として発生した都市部への人口の流入が産業革命を支えたというのは、更に想定外であったと思われる。「風が吹けば桶屋が儲かる」に近いことが西洋でも起こり、結果として世の中の仕組みを変えるに至った。

ただ、この囲い込みは今でも行われる。産業革命前との違いは、囲い込む対象が土地か人かであり、囲碁のような陣取り合戦であることに変わりはない。

今は、人を囲い込むことにあらゆる業種が腐心している。経済圏としては楽天・Amazon、Yahoo!等が大きい。このほか、ネットスーパーではセブンイレブン、イオン、西友等がある。

一つのプラットフォームに馴染んでもらって自陣に囲い込むことができれば、それによって数々のサービスを提供して日々の営みの全てにおいて使ってもらうことで自らの利益獲得、更には利益増大にもつながる。

だから、新しいサービスが生まれるとまずは自陣への引き込みを企図してさまざまなサービス合戦が繰り広げられる。記憶に新しいところでは○○ペイであろうか。

多くのポイントを付与することで、自らのサービスを利用してもらう。人間はそれに慣れれば敢えてよそ見をすることは少ない。また一から新規のサービスに慣れるのは面倒だからだ。

ある程度囲い込みが成功して定着した状態になったところで少しずつサービスの質を下げていく。それでも居続けてくれれば一丁上がりである。

自分たちが商才あるプラットフォーマーから見て囲い込みの対象であることを自覚して世の中を見ると、また違った世界が見えてくる。

さすがに自らがゲームチェンジャーになることまでは考えにくい。されば、どこで暮らすのが一番楽しく得なのか。これを考えていくことが今風の生き方なのだと理解している。

お読み頂き、ありがとうございました。

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