余人をもって代えがたい人
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森会長による女性蔑視発言。これに対する批判が、燎原の火のごとく広がっている。鎮火の兆しは見えない。
そもそも会議は、衆知を集めて異なる意見を戦わせることでものごとを多面的に評価し、より良い対応を決めるためにあるものだと私は思っており、この観点からすれば、予定調和で済ませるべきではないと考える。
この点に触れた意見をあまり見ないが、会議に時間がかかることを悪と捉える感覚が根源的におかしい。そして自分が悪と捉える事象の原因を、根拠がない性別に求めている点で、やはり女性蔑視との批判は免れないだろう。
複数の海外メディアで会長の続投を疑問視する論調の記事が掲載されている中で、それなりの地位のある方から「余人をもって代えがたい」と擁護する意見が出されている。
この点、サラリーマンとしては、属人的な特殊能力に依拠することを奇異に感じるとともに、人が代わると回らない組織というのは、組織の体を成していないのではないか? と考える。
更に、誰も正面切って辞任を求められないようであれば、ガバナンスにも大きな問題を抱えている組織だと受け止められても致し方ないと思う。
コロナ禍によるオリンピック開催一年延期が、日本の至らなさをも白日の下にさらすこととなった。
森会長が開催に向けて汗をかいてきたことは事実。それは率直に認めなければならないと思う。
ただやはり、それはそれ、これはこれ。
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