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令和は無縁仏になりやすい時代だと知った

今日は朝から肌寒さが継続する一日となりました。花曇りと言えば聞こえはよいもののお日様も照らないので洗濯物も乾きにくく、家に取り込んでからもしばらくは室内干ししておく必要が生じています。時節柄やむを得ないことなのでしょう。

さて、……。

NHKのWEB特集に以下のものがあるのを見つけた。

一読してああなるほど、納得する内容であった。12日(金)午前7:45までリンク先から動画も見られるので、ご興味があればご覧頂きたい。

本件は「兄が家族の知らないうちに自治体により無縁仏として葬られていた。何故か」というもの。これについては、相続手続を経験していると理解しやすい。結局、身寄りをどうやって探すのかという問題に帰結するからだ。

親が生きていれば、独身者は親と同じ戸籍の中に入っている。でも、親が死ぬと本人が戸籍の筆頭者となる。なお、戸籍の住所が実際に住んでいる住所と一致しているとは限らない。

仮に兄弟がいたとする。兄弟が結婚し新戸籍を作って出て行った場合、その事実は戸籍に記載される。ただ、それはどこに行ったかが記載されるだけ。その兄弟が転居の都度戸籍を移転させていたら、そこで追えなくなる。

独身の本人が死亡した時、自治体がその戸籍にたどり着くことまではできると思う。そしてその戸籍に記載された兄弟の移転先の住所に手紙を出しても「転居先不明」で帰ってくる可能性は少なくないはず。

というのは、転居の度に本籍を移す人はそう多くないから。同じ市内で今より広い家に移転という転居で、住民票は移すとしても本籍まで移すかということ。

ちなみに、戸籍をどこに置くかは自由である。本籍地として日本で一番多く登録されているのは「東京都千代田区千代田1番」、つまり皇居の住所だと聞いたことがある。

それはさて置き、転居先不明となると、私がかつて相続でやったのとは逆に、戸籍を追ってゆく、更に戸籍の附票を基に住所を追ってゆくという作業が必要になる。

でも、それをやるのは結構な手間。基本的に赤の他人の戸籍を取得することはできない。自治体の職員ならできるのかは不知だけど、もしできないなら士業(弁護士、司法書士、行政書士等)の方にこれらの作業を委託することになる。

これも結構な手間と費用が掛かる。なおかつ、途中で兄弟が住民票を移転して「いなければ」そこで行き詰まってしまう。

自治体の職員は他にも仕事を抱えている一方で、このような兄弟移転先捜し作業は法的に定められたものではない。そうであれば、残念ながら亡くなられた本人が無縁仏となってしまうのもやむを得ないことになる。

本件は少子化が生んだ副産物という側面もある。昔の兄弟姉妹が4〜5人いるのは当たり前の時代ではなく、1人っ子も珍しくなくなった。子ども達がいて後を引き取ってくれない限り、こういう事象は増える一方だろう。

令和は無縁仏が当たり前になる時代なのかも知れない。

お読み頂き、ありがとうございました。

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