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富裕層にただ課税するのは雑過ぎる

今日は新聞を取り出す以外に家から出ませんでした。外の空気が美味しいことを、そのわずかな時間で知りました。

さて、……

岸田首相が防衛費増額を言い出したせいで、その税源にも皆の関心が集まることとなった。結局、決着は先送りになったけれど。

富裕層への課税、受けて立つと言いたいところ。しかしながら私はどう考えても富裕層ではなく、当事者適格を欠く。

ただ、富裕層に課税という発想は、もう少し詰めて考える必要がある。元々、富裕層は累進課税によって我々より多く課税されている。更に累進制を高めて税を取り立てる理由は何だろう。

「税金は金持ちから取れ」というだけでは雑過ぎる。その根拠が「お金があるから」でしかないからだ。

お金持ちは、先祖の遺産によるものでなければ、能力を発揮してお金を稼いでいる人である。基本的に持って生まれた能力は高い。その人が、唯々諾々と税金を課されるか、或いは課税されても黙っているか。

恐らくそうはしないだろう。もっと税率の低い国に移り住むことを考えるだろう。その国にいなければできない事業、その国により多く納税するのを厭わない心がないのであれば、これは自然の成り行きである。

富裕層の国外退去も辞さずという発想は、亡国への道だと言い切る。どんな事業も1人ではできない。言い換えると、どんな事業も複数の人間の雇用を生んでいる。従って、富裕層の国外退去は雇用の喪失に直結する。

本来は、富裕層だけではなく全国民が満遍なく負担すべきもので、富裕層には少し多めにご負担頂くというのが筋だと考える。

ここで全世帯の23.3%が非課税世帯であることも、合わせて認識しなければならない事実である。普通に考えて、彼らに負担は望めない。

なお23.3%という数字は、ザックリ4分の1弱である。つまり、4世帯に1世帯は非課税世帯で住民税を払っていない。一億総中流という言葉は明らかに過去のものだとわかる。

本来は、こういった世帯の収入の底上げを図ることが先で、そのうえで増税を考えるべきところなのだけど、それがおざなりになっている。

法人の内部留保も元は利益であるので、そちらに課税する方法もある。しかし、富裕層への課税と同様に国外退去される可能性がある。

ここで、私が思うのは「課税される⇒国外退去」だろうか、ということ。人の欲にはレベルがあって、金銭欲が満たされたら名誉欲に移行する点を利用できないかと思うのだ。

会社経営者がリタイア後に勲章を欲しがるのもこの流れの一環であり、そうであれば富裕層に対する顕彰をもっとやっていくのもアリではないかと考える。

納税は義務、だから払うのが当たり前で褒めるに値しないという理屈は正論である。でも、人の心情として簡単に納得できるものではない。だから、ここを改めて納税して頂いたことに対して感謝する、褒める取り組みをすべきだろう。

それだけでも、国外退去を抑止する力になるのは間違いない。

日本人は、どうも人を褒めたがらない傾向がある。でも、これは悪い慣習として捨て去らねばならない。褒められれば自己肯定感は確実に上がる。リップサービスにお金は掛からない。まずやってみるべきだと思う。

お読み頂き、ありがとうございました。

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