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試行錯誤には時間と余裕も必要

私もオジさんになって久しい。でも「今の若い者は......」とだけは、口が裂けても言いたくないと思っている。そのためにお百度を踏んだりはしていないけれどw

ただ、それでも私が新入社員の頃には多かった「先輩社員の仕事は盗め」的な若年社員教育は、かなり減った。それは恵まれていると感じる。

当時、優れた先輩の下に入れたのはラッキーではあったのだが、その先輩が手取り足取り教えてくれるようなことはまずなかった。言われたことをそのまま実行している内に理解できる部分もあれば、分からなくて恐る恐る尋ねたものの「よく考えてごらんよ!」としか返ってこないことも多かった。

やむなく自分で仮説を立てて実行するのだけど、仮説止まりの場合がほとんど。同期にSOSを送っても「わからんなあ」と言われて詰むことも多々あった。会社の規則集を読んでも、今ひとつわからないままだったある時に、「もしかしてこうやれば...?」とひらめくことが珍しくあった。

その先輩は、口には出さなかったが「自分で考えないと身につかないよ」「考えることも勉強だよ」と言いたかったのだろう。その時の試行錯誤は、今でも思い出せるくらいなので、確かに身についている。

そういう経験の持ち主からすると、「どうすれば良いですか?」と屈託なく尋ねてくる若手社員に対しては、それで良いのか? との気持ちも湧く。彼らはあれこれ考えるよりも、すぐに正解にたどり着く方が効率的であると考えているようだ。

それは、仕方がないことかも知れない。「昔は良かった」というのは、そういう試行錯誤の経験ができたからだけではなく、その前提として職場に時間と余裕があったということでもあるのだから。

今、その余裕のある職場がどれくらいあるだろうか?

読んで頂いただけでも十分嬉しいです。サポートまで頂けたなら、それを資料入手等に充て、更に精進致します。今後ともよろしくお願い申し上げます。