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在りし日の裏技~川崎市案件~(2010年)

おはようございます!若月りくです。

今朝は気分が良いので、少し突っ込んだ、そして、少しディープな話題に触れたいと思います。

本日のお題は、フルローン、オーバーローン、って如何なものなの?です。

シンプルな問いですが、多くの書籍やサイトでは、リスクが高く、余り推奨されていない論調が多い印象をもっております。1%を切る様な低金利で資金調達可能な住宅ローンでさえも、早期完済を目指す方が多い印象もあります。よって、借入額は少なければ少ないほど良い、が全体的な雰囲気だと認識しています。
只、経済合理性及びリスク管理を考えると個人的には、フルローン、オーバーローンは活用すべきものだとお奨めさせて頂きたいと思っています。
また、最後に、コンプライアンス上の論点と別の角度からの視点での考察も付け加えたいと思います。

経済合理性とリスク管理を踏まえたメリットは以下の2点だと思います。
① 生命保険の掛け金として割安
② 単一事業における資金繰りの安定化

① 生命保険の掛け金として割安
融資を前提に不動産投資を行う場合、借り手の目線は、上記の通り、不足資金を融資で補うネガティブな発想になりがちです。その結果、借入額が重たい・減らしたい、金利負担が勿体ないという見方となり、借入額を減らすべき!少しでも預貯金が出来たら期限前弁済を行おう!早期完済を目指そう!といった発想、行動になります。只、家計全体のポートフォリオを見た場合、その行動が経済合理性を欠いている可能性が高いケースが見受けられます。
全く目線を変えて貸し手の側に立ってみると、借り手の返済能力を評価し融資を実行する訳ですが、不幸にして借り手が死亡した場合に備えて、必ず団体信用生命保険への加入を義務付けている事が一般的です。
既に加入済みの生命保険の掛け金と団体信用生命保険の掛け金(金利の一部)で、一体、どれだけの保険金が得られるのか?不動産の残債の幾らが補償されているのか?この2つの契約内容を試しに計算してみると驚きの計算結果になると思います!試しに試算してみましょう(とある理由で、ここでは計算は控えます)。

② 単一事業における資金繰りの安定化
不動産投資を単一事業として評価してみましょう。
虎の子の預貯金100万円を【A】手元に置いておくのか?【B】頭金にするのか?の2つを比較してみると事業の安定性が一目瞭然になります。
イメージを掴むために前提を置きますが、借入額3,000万円、金利2%、返済期間35年、月額返済額等10万円、家賃11万円とします(簡便に管理費、固定資産税等の要素は返済額等に含まれる事にします)。
【A】 手元に置いた場合、約2年で24万円(1万円x24ヵ月)で、元々持っていた100万円を加えて、現金が124万円になります。
【B】 頭金にした場合、同2年で30万円(1.25万円x24ヵ月)で、現金が30万円になります。
2年経過後に賃借人が退去になってしまったら、頭金にした場合は、3ヶ月以内に次の入居者が着かないと家計から返済する苦しい資金計画に様変わりしてしまうので、資金繰りの安定性も担保したい場合、借りれるだけ、借りておく事に合理性が見出せませんか?目先の月額1,000円程度の金利負担で資金繰りのリスクを回避できるのであれば御の字だと思います。

語り甲斐のあるテーマだったので、本稿タイトルの三号案件の時代背景と立地の魅力に触れずに終わるところでした・・・(汗)

時は、2010年リーマンショックが海を渡り、世界中に伝播し、不動産を含む多くの産業や実態経済に負の影響を及ぼしていた時代です。
そんな中、若月りくは、追加の不動産購入に至る蛮勇を発揮した訳ですが、不動産自体の銀行評価額はリーマンショック前の据え置き状態で、売り手のディベロッパーは販売を促進する事で早期にバランスシートを改善したい意向が強く完全な買い手市場。『高評価』x『廉売』のコンボで、世の中の悲観的な雰囲気とは裏腹に、結果的には好条件が落ちていた・・・在りし日の奇跡でした。

川崎という街は、歴史的には「労働者の街」や「工場の街」としてのイメージが強くありました。当時からは随分と都市開発が入って年々駅前の雰囲気も変わってきた印象です。これからの発展が楽しみですし、久しぶりに様子を見に行ってみたい街の一つです。

融資条件に関しては、上記の考え方を持っていたので、迷わずオーバーローンをポチりました(笑)

因みに、このオーバーローン案件、出口が、どうなったのか!?は、また後日のお楽しみという事で。

最後に、スルガ事件でも、オーバーローンを含む不正もあった模様で、コンプライアンス上、扱い辛い状況になっているのだと思います。只、売買金額の多寡と融資可能額は本質的には異なるものとして整理されて然るべきものだと感じます。
未だ余り馴染みがない単語かも知れませんが、老後資金の獲得の手段としてのリバースモーゲージ(自宅等を流動化して融資を受ける行為)も売買金額がゼロと見做され、その観点ではオーバーローン的でもあります。
フルローン、オーバーローン等の程度の程は置いておいて、借入行為に対するネガティブな印象も、適正な資産評価と事業性評価がなされるのであれば、経済の活性化や資産の流動性の観点からも、もう少し前向きに捉えられても良いのではないかと感じています。

まぁ、ものは見方、一意見としてご容赦下さい。

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