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癌が再発しました。

8月27日に医師からそう告げられた。8月24日に骨髄生検(マルク)を行って、8月26日に病院から電話が。明日、奥様やご両親と一緒に病院に来てくださいと。そんな風に呼び出されたら再発以外あり得ないと分かっていたから、27日にそう告げられた時は特に驚かなかった。



そもそも再発ってどういうこと?治療中なのに?と思う方もいると思うので簡単に説明したい。今までは抗がん剤治療で寛解(がん細胞が目に見えない状態)を維持していたけれど、4クールが終わって検査したところ、がん細胞が目に見える状態まで増えてしまっていた。今まで減っていたものが逆に増えていたんだから、再発ということになる。



だから、残り4クール分の抗がん剤治療を続けても完全寛解(5年以上再発しないこと)はほとんど見込めないだろうし、治療を全て終えたとしてもすぐ再発する可能性がかなり高い状態。特に自分のようなT細胞系のリンパ腫は再発リスクが高いそうだ。



じゃあどうするの?となるが、長く生き続けることを望むなら次の手段は①か②の「移植」になる。

①同種移植(非血縁)
②臍帯血(さいたいけつ)移植
(自家移植や末梢血は割愛)



ちなみに移植したからといって全て解決する訳じゃない。移植をしたとしても今後再発する可能性は4〜6割もあるそうだ。また、移植後の感染症や重度のGVHDで亡くなる確率は2〜3割にまで達する。極め付けに移植後少なくとも3年間は普通の生活は送れないと思っていい。(「移植 退院後の生活」と調べれば34ページにも及ぶリーフレットが出てくる)




ちなみに「移植 前処置 体験記」「移植 GVHD 体験記」とか色々調べると分かるが、二度とやりたくない程キツいらしい。なんといっても移植前に行う前処置では、今まで使用していた量の約10倍の抗がん剤投与と放射線照射を行うのだから。ここまでやっても死や再発の可能性もあるなんて、なんのために辛い思いをするのだろうとふと立ち止まりそうになる。



きっと、ここで移植をしないと決断する人もいるのだろう。辛い生き方をするのなら、それ以外の延命措置をとるのも一つの生き方だ。移植をしないことは逃げではない。どのように生きたいかを選ぶことは、どのように死にたいかを選ぶことと等しいんだなと今更ながらに思う。



自分はどうするのだろうか。



なんでこんなに他人事みたいにつらつらと書けるんだろう。たぶん今までも、頭のどこかで自分の病気を他人事として客観視していた。他人事だから誰のどんな言葉にも寛容でいれたし、他人事だから治療に耐え続ければどうせ治るものだろうと思えていたのかもしれない。



でも現実はどうやら違うみたいで、他人事でいるなよ逃げるなよと首根っこを掴まれた気分だ。今まで他人事だった「死」が急に自分事となって目の前に現れると、恐怖以外の何物でもない。




わははは、まだ元気でいたいよ。

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