人形姫

窓の外ばかり見ていた。
後ろ指 周りの声に耳を塞いで
新しい洋服やテレビの中の恋に
夢中にはなれなかった。

まるでこれはいつか見たおとぎ話 悪夢の始まり
突き立てる刃も差し出されぬまま
消えていくだけの結末なんて見たくないわ。

押し殺したこの感情を 閉じ込めたままの言動を
抑えていられない 止めないで 止めないで
与えられたその幻影を 掴み損ねたその愛を
まだ見ぬ水面を仰ぎ見て泳いでいる

叫び声は届かなかった。
あの子はただ独り戦っていたんだ。
踏み出した勇気 飛び降りた先に
見えたのはどんな世界だった?

まるでこれはいつか見たおとぎ話 悪夢の続き
声を無くして落とされた世界は
思っていたほど輝いてなんかいないじゃない。

押し付けられたその感性を 飼い慣らされたその欲望を
抑えていられない 止めないで 止めないで
走り出したこの妄想を 抱え込んだその愛を
まだ見ぬ水面へ向かう原動力にして

押し殺したこの感情を 閉じ込めたままの言動を
抑えていられない 止めないで 止めないで
与えられたその幻影を 掴み損ねたその愛を
まだ見ぬ水面を仰ぎ見て泳いでいる