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「愛の不時着」ちぎり、とは。


不定期に燃え上がる「いつ致したか」問題。
何をしていても、これが頭によぎって手につかない。
で、わたしなりにアウトプットしてみることにする。

ここはもう、邪推するしかない。


北説は、おそらくないであろう。
これはただの勘になってしまうが、二人の会話や行動から、結ばれたという余韻が感じられなかったからである。
南説は、ありえる。
スイス説も、ありえる。

さて、どうであろう。
わたしが初見の時から、南だと感じたことを軸に述べてみる。
といっても、実際、「致しました」と言ったわけでもなく、特にその描写があったわけでも、必要だったわけでもない。
そのため、謎に包まれている。

では
ジョンヒョク氏とセリちゃん、致していないのか?
それは、どうもわたしにはいただけない。
北での別れ。
命の危険をおかしてまでした最後のキス。
(余談であるが、ここのセリフは聞き逃してはならない。唯一、リジョンヒョクが北の言葉から南の言葉へと変化する瞬間でもある)
次だろ次と、二人の気持ちを放っておいても、わたしの期待は昂まるばかり。

北での悲しくも美しい別れの後、ジョンヒョク氏はチョルガンからセリちゃんを守るために南に行く。
眠れないセリちゃんが散歩していると、ジョンヒョク氏は身を隠すことなく、ずいぶん探したと真っ直ぐに近づいてくる。


ただ、チョルガンを捕まえるだけなら、セリちゃんに見つからないように身を隠しながら護衛することもできたであろう。

二重警護の時はこっそりとついて行ったではないか。

やはり、会いたかったのだよね?
ジョンヒョク氏、セリちゃんに会いたかったんでしょ?
ものすごく会いたかったのわかるよ、ジョンヒョク氏。

で、再会したセリちゃんの言うがまま、お家に居候。
いいのだ、それで。
それでいいのだ。
心ゆくまでセリちゃんのお世話になっていいのだよ。
そしてチキンを食べてハグして過ごし、あとはチョルガンを探すのみ。

え?

いやいやいや、やはりひっかかりはそこなのだ。
たしかにすぐ北へ帰るとしても、あんなにも北での盛り上がった二人ではないか。(ep9ラスト)

ep7では北の病院でキスして、一度はセリちゃんが眠りにつくまで、二人は一応、一緒のベッドで横になっている。
もちろん、お互いの気持ちをはぐらかし、大怪我をしていたからその時は何もなかっただろう。

ジョンヒョク氏が入院中、セリちゃんは保衛部から逃げるためクスンジュン氏の所へ行き、ジョンヒョク氏と距離を置かざる得なくなる。
傷を抱え、ダンちゃんを振り切り雪の中、セリちゃんを迎えに行ったジョンヒョク氏。

忘れもしない、その夜だ。
二人が廃校で過ごす一夜。
セリちゃんからジョンヒョク氏に対しての「母胎ソロ」発言。


ジョンヒョク氏の自宅に帰り平穏な二人のクリスマスかと思いきや、ジョンヒョク氏の父によって連れ去られるセリちゃん。
その時、はじめてセリちゃんは拉致されながらも、ジョンヒョク氏に電話で「愛してる」と気持ちを伝える。



ジョンヒョク氏にとってマックスうれしい瞬間であるはずが、最悪な瞬間でもあった。


それまで、ハグをし、キスしながらも、ちんたらかんたら告白はできないお互いの立場。
セリちゃんが窮地に陥りながら、ジョンヒョク氏に対しての想いを突破させてくれて、もう気持ちを隠すこともなくなったわけだ。
ジョンヒョク氏は自分も保衛部に家宅捜査されるという大変な目に合いながらも、セリちゃんのことで頭がいっぱい。
営倉にも放り込まれてしまう。
ジョンヒョク氏は婚約者であるダンちゃんを営倉に呼び出して、セリちゃんの居所を探る。

こりゃダンちゃんも泣くよね、泣く。
結果、10年も婚約してる相手だったもんね。

やっとのことで営倉から出たジョンヒョク氏は真っ先にセリちゃんが捕らえられている実家へ。
実家にてセリちゃんの安否を心配し泣くジョンヒョク氏、両親の前でも無邪気に手を繋ぎはじめる。

だが、南に帰らなきゃいけないセリちゃん。
心の奥で引き止めたかったよね、ジョンヒョク氏。
うんうん、わかるよ、わかる、とってもわかる。
でも、そうはいかぬ。

やっと運命の相手だと互いに気がつき気持ちが通じ合ったはいいが、セリちゃん帰国作戦は必須だ。
道に迷ったふりをしながら、ギリギリまで粘るジョンヒョク氏。
しかし、セリちゃんもジョンヒョク氏も帰国を躊躇ってはならない。
親をも巻き込み、上官に頼みわざわざ勤務交方までしたのだ。
前哨地からセリちゃんを無事に帰国させねばセリちゃんの命が危ない。
だが、

ジョンヒョク氏、自宅で前哨地への出発準備中に、セリちゃんが本棚に残した「愛してるリジョンヒョク」のメッセージを目にしている。

口にはしないものの、葛藤、葛藤、葛藤だ。


そりゃあもう、辛抱たまらないだろう。

前哨地で「行くね」と振り向かず去っていくセリちゃんの後ろ姿を見て、絶対に超えてはならぬあの鉄条網を、ジョンヒョク氏は自ら越える。


セリの腕を掴んでのキス。
初の南の地にて、熱いキス。

法を犯してまで越える時は越える男、ジョンヒョク氏。
もう、理性なんてぶっ飛んでる。
病院のキスでもぶっ飛んでいただろうが、さらにぶっ飛ばす。
ぶっ飛んだからこそ9 話のラストの感動は最強だ。

セリちゃんもジョンヒョク氏の首に手を回して愛に応じる。
はい、ここ、初めて言い訳なしのキス。
お互いの気持ちを認めた熱いキス。
しかし二人には、それ以上の時間はない。
そこまでかと思いきや、北と南に別れた後、チョルガンがいい仕事をしてくれる。
すべてを失ったチョルガンがセリちゃんをダシにジョンヒョク氏を南に呼び寄せる。

ありがとうチョルガン。
あなたの死は無駄にしない。





さて、話は戻るが、問題は超えてはならぬあの38度線を越えていき、ハグとキスはするものの、それ以上はないのか?だ。

南へやってきたジョンヒョク氏。
自宅へ受け入れたセリちゃん。
毎晩、違う部屋で寝たのだろうか。
いやいやいや、そんな必要どこにある?
傷の手当て、セリちゃんの寝室だったよね?
寝ている部屋が別ならばセリの寝室で手当をする意味は?
リビングでもよいのでは?
チキンを食べたダイニングだっていい。
あえて、セリちゃんの寝室。
あえて、ベッドのあの位置。
いつもジョンヒョク氏が眠っている位置ではないのか?
セリちゃんはいつもベッドの左側で眠る。
ジョンヒョク氏は右側に寝てるんじゃないだろうか?


セリちゃんの手を取りベッドに座らせるジョンヒョク氏の仕草が、自分のテリトリーにセリちゃんを迎え入れるように見えるのはわたしだけだろうか。


セリちゃんのベッドサイドテーブルの引き出しを開け、睡眠薬を確かめるシーンもある。
わりと、踏み込んでいるではないか?
なぜ、そこを開けたのだ。
引き出しを開ける行為はわりと踏み込んでいる。
セリが何かいつも飲んでいるのを知っているからではないか?


「添い寝のみだ」とジョンヒョク氏は言うかもしれない。
どうぞ言ってくれ。
セリフは嘘つきでいい。


命をかけてセリちゃんを守るジョンヒョク氏。
両想いなのに、ハグとキスはよくて、それ以上はなし?
なぜ?
また会えなくなるから?
兄の死で淡々と生きていこうと決めていたから?
それなら、キスもしないのでは?
ペアリングなど送らないのでは?

まさか、この後におよんでキスはパリでは挨拶というのが伏線だった、ではあるまい。

よく思い出してほしい。
セリちゃんが積極的にみえるが、キスはすべてジョンヒョク氏からしている。



たしかに家でのキスシーンはない。
一度もない。
が、セリちゃんが撃たれ入院中の病室でキスするジョンヒョク氏が、家でしないわけがないだろう。

それとも、病院でするのが好きなのかと、違う問題に行きついてしまいそうでおそろしい。



もう一つ、ジョンヒョクが「愛してる」という言葉を伝えてないということがこの問題を少し混乱させる。
しかし、よく思い出してみると、

「愛してる」と面と向かって言っていないが、それ「愛してる」って意味じゃんというところがある。
そう、セリちゃんの誕生日の夜だ。
「僕の愛する人が…」のくだりである。



気持ちはダダ漏れである。

セリちゃんのこととなると、最初から無茶をするジョンヒョク氏なのである。


もう会えないかもしれないからこそ、セリちゃんも、ジョンヒョク氏の最初の女になりたいと願いはしないか?
わたしなら、願う。

ジョンヒョク氏、そこはどうか野獣になってくれ。
野獣じゃなくともいい、セリちゃんにリードされて卒業してくれ。
38度線を何度も越えるなら、男と女の一線もひょいっと越えてくれ。
(ジョンヒョク氏、母胎ソロとはっきり認めたわけではない。留学経験もあるので、その手の経験はあるかもしれないとも十分に考えられる。指輪を渡した時に、セリちゃんに「母胎ソロなんて嘘じゃない」というような言葉もかけられている)


ジョンヒョク氏は、南に行っている間、結婚式を延期されている。
ダンちゃんは頑として結婚すると宣言していたわけで、ジョンヒョク氏がダンちゃんに告げた「結婚できない」は、誰にも届いていない。

もしチョルガンを捕まえるなり始末するなりして北に帰ったとしても、両親になにをどう説明し、破談が成立するかはわからない。
なにしろ、前からの約束だから結婚すると答えてしまっているのはジョンヒョク氏本人。
新居もかまえている。

南に行っている間も、ダンちゃん側が破談を言い出さない限り、結婚話は続いていたわけだ。
唯一の救いと言おうか、ここでの素晴らしさは、ジョンヒョク氏が一度も新居を訪れなかったことである。


悲しいかな、クスンジュン氏があんなことになっちゃってダンちゃんは心を決めるわけだけれど、ジョンヒョク氏はクスンジュン氏とダンちゃんの関係を知らない。
クスンジュン氏が二度と会えない遠いところへ行ってしまったことさえ、知らなかったのだ。

そして、忘れてはいけない、ジョンヒョクの最大ともいえる魅力。
それは、セリ以外の女に中途半端に優しくしないこと。
ジョンヒョクがあちこちの女性に優しくすれば、この物語は成立しなかったであろう。
八方美人、博愛主義は、ラブストーリーにおいては、魅力のカラケもないことになってしまう。

多くの韓ドラはもちろん、名作にいえることだが、主人公である男性は、ヒロインである女性に対して、まっすぐな愛情を注ぐ。
そこが視聴者の願望であり、憧れである。
あっちにふらふら、こっちにふらふらと、愛想をふりまく、ナンパでちやほやされたい男を誰が好きになるだろう。むしろ、逆効果である。
ドラマは視聴者の願望なのだ。
その辺のポイントを押さえていることは、非常に好感度があることがわかる。

ふらふらとプレイボーイのクスンジンンさえ、ダンちゃんに一途であったことで、さらに魅力をました。



もし、帰国後、何もなかったことにされ、約束通りダンちゃんと結婚することになってしまったら?

さすがに「努力する」「協力する」と言った手前、なにもしないなんて、ダンちゃんに失礼だ。
結婚してしまったら、そこで、セリとの関係は終了してしまう。

ジョンヒョク氏、それでいいのか?
そうするつもりだったの?
愛するセリちゃんと致さずに?
え?え?え?


それじゃあ、セリちゃんも浮かばれない。
ハグとキスはするけど、それ以上は求めてこないのもありっちゃありだが、北に帰ってダンちゃんと結婚するかもしれないから、キスまでで止めているのなら、話は別である。
それは、ジョンヒョク氏のなんのルールだ?
「僕の女」といわれるのは、本来ダンちゃんのはずなのだ。

毎晩プラトニック?
いや、プラトニックでもない。

完全に、寸止めだ。

ダンちゃんと添い遂げる可能性あるんだよ?
セリちゃんだって、時が経てば誰かと結ばれちゃうかもしれないんだよ?

共に危険を犯し、愛し合う男女がひとつ屋根の下で暮らす。
ここで、何もなかろうか。

セリちゃんが酔ったタイミングで、ジョンヒョク氏は、北に帰りたくない、結婚したい、双子が欲しいと、おそろしいほど可愛いことを言う。



セリちゃんの誕生日にペアリングを渡す時も、証ととらえなくていいというが、ぶっちぎりでバリバリ記憶に残る男になったことは間違いない。

思い出を残しまくるジョンヒョク氏。


もはや、致さないことのほうが不自然で不誠実なんじゃないかとさえ感じるのはわたしだけだろうか。

二度と会えないかもしれない関係であれ、求め合ってほしい。
完全にわたしの願望だ。

ジョンヒョク氏は当然、死も覚悟して南にきたであろう。
そこで運命の女•セリと、熱い別れからの再会なのだ。

スイスで会えるか会えないかは賭けであり、どの時点でジョンヒョク氏がスイスで会おうと伝えると決めたのかはわからない。

そもそも北に帰ってもジョンヒョク氏が生きていられるかはわからない。
実際に殺されかけている。

スイスに行けるかは運。
神のみぞ知る。

一年間の予約メールは、自分がいなくなったあと寂しがるであろうセリちゃんへ、生きる希望を残し、時が経って気持ちが変わってもかまわないというジョンヒョク氏の愛と優しさであることは考えられる。
何しろ、対面調査で酷いことを言った後である。

セリちゃんにとって、ジョンヒョク氏は命を分ち合った忘れられない男。
「思い出なんかにしたくない」
そう、行くよね、行く。
どんな手段であろうと、スイスに通っちゃうよね。
ジョンヒョク氏から着た最後のメールが「この国(スイス)で会おう」なら信じるよね。
ジョンヒョク氏の生死さえわからなくても行くよね。

だが、ジョンヒョク氏が、北で結婚するかもしれない、結婚したかもしれないとなれば、セリちゃんはその約束をどう感じるだろう。
ジョンヒョク氏は、結婚話が白紙にならない限り、無責任に会おうなどと言わないのではないだろうか。
もう、ジョンヒョク氏は北へ戻ろうとも結婚する約束を守るつもりはさらさらなかったのではないか。
そして、死をも覚悟していたのではなかろうか。

つまり、言葉にこそしないが、 二人は互いの未来を見つめ信じ合うほどの仲に陥っていたのではないか?

どうか、そうだと言ってくれ。

それとも、キスするけれど、友人としてスイスで会うつもりだっただけなの?
結婚をやめる前提で帰り、破談し、再会できたら結ばれるつもりだったの?

それ、酷すぎないだろうか。
セリちゃん、完全に待ってる身だよ。
セリちゃんがジョンヒョク氏を待ってないと考えるならば、それはそれで、甘い。

どうか、認めてくれ。
致しましたと。

これがわたしの邪推である。


スイスでめでたく再会した二人。

南で結ばれていたのかもしれないし、スイスで初めて結ばれたかもしれない。
これは、いつまでも謎。

しかし、私は、南にいる間で、と願う。
願っている。
事実は二人にしかわからない。
どれだけ距離が縮まったように見えようとも、憶測でしかない。
現場を押さえたわけではないので仕方がない。

わからないけれど、私の「願望」が「南で!」なのだ。


今の時点で正解はない。
それぞれの「願望」が正解だ。

致していようがいまいがそのシーンはなくてよい。
南であろうが、スイスであろうが、北であろうが、描かないことこそが、これらの想像を無限に掻き立ててくれるのだ。


ペアリングを外した二人のスイスでの再会。
このシーンは一部、撮り直しをしている。
撮り直ししたにもかかわらず、アップになるシーンでもペアリングは確認されない。
小道具の忘れものか、意図的に外したか、はたまたペアリングをしているはずの他のシーンのCG編集が追いつかないといった大人の事情かもしれないが、その謎の考え方も人それぞれである。

二人は結ばれようと、結婚という形はとれない。
それを指輪を外すことによって表現したのかもしれない。

もしかして、ラストのスイスの再会のそれさえ、私たちの「願望」を見事にボカして描いてくれたのだと考えることがある。

セリちゃんは12話で、二人の未来の話の中、「永遠に覚めないかも」と酔って言う。

こういう美しい世界がくるといいねと…も。
すると、ラストは、「まんまとやられた…」なのだ。

おそるべし「愛の不時着」

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