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「PCR検査を一切しない」という選択肢

先日、わたしのnoteで欧州の新型コロナ会議の議長でウイルス学者のクリスティアン・ドロステン氏が書いた寄稿を紹介したところ、たくさんのアクセスがありました。一部の人たちの間では「日本の対策を勘違いして絶賛」「ドロステンの個人的意見」といった声もあるようですが、そうなのでしょうか。今月もたくさん気合いの入った記事を入れています。ぜひお得な月額マガジンで。

EUの新型コロナ対策会議の議長、クリスティアン・ドロステン氏は8月6日、独「ZEIT」紙に、流行再拡大の可能性が高い秋への備えについて寄稿した。

日本では、全社会機能を停止させる「ロックダウン」を行わずに第1波を乗り越えることができたが、そのことの背景には、流行の早い段階から集会や密閉空間などが流行拡大のリスクであることを特定して国民に警戒を呼び掛けたこと、クラスターの連鎖を断ち切ることを主目的としたPCR検査体制をとったこと、コロナ以前からマスクの着用が一般的だったことなどがあるとするものだ。

同寄稿でドロステン氏は、陽性者が出たら①濃厚接触者はPCR検査を実施する前に全員隔離、②発症しないか観察、 ③隔離5日目にPCR検査実施、④陰性であれば隔離を終了してよいとしている。

ドロステン氏が日本のコロナ対策に言及したことは今回が初めてではない。

ネット上には「日本の対策を勘違いして絶賛」「ドロステンの個人的意見」といった批判もあったようだが、スーパースプレッディングやクラスターつぶしに焦点をおいた日本のコロナ対策に注目していた専門家はドロステン氏だけではない。私の入っているヨーロッパの感染症研究者のメーリングリストでも、日本の政策はかなり早いうちから話題になっていた。

ドロステン氏の寄稿のポイントは第1に

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