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「世田谷モデル」VS「日本モデル」

世田谷モデルと日本モデル、その大きな違いは「無症状の感染者をどうやって見つけるか」という根本的な問題に対する関する考え方です。この記事を含め、今月もお得な定期購読マガジンに役に立つ記事をたくさん入れています。

「誰でも、いつでも、何度でも」をうたう世田谷区のPCR検査体制「世田谷モデル」が物議をかもしている。8月24日には、地元世田谷区医師会が、いわゆる「世田谷モデル」と世田谷区医師会PCR検査センターは「全く関係ありません」との声明を出す事態にまで発展した。

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同声明によれば、世田谷モデルの提唱する「誰でも、いつでも、何度でも」は、いわゆる社会的検査ニーズに応えるためのものであり、世田谷区医師会PCR検査センターはこれまでどおり、症状のある患者を最優先とした医療的検査を受け持って行くとしている。同声明によれば、社会的検査とは、渡航前、施設入所前、手術前、介護や保育、教育現場などで、無症状であっても感染状況を確認するために実施する検査を指す。

一方、「8月24日更新」とある世田谷区のウェブページには「(ご注意)世田谷区では、症状がなく検査のみをご希望の方にPCR検査は実施しておりません」と、世田谷モデルはあたかも区としての判断ではないことを強調するかのような太字の文言が掲載されたものの、「8月27日更新」と記載されたウェブページには、従来型の検査数を1日約300件から600件に拡充することに加え、世田谷モデルの一環として、介護事業所で働く職員と保育園・幼稚園の職員、特養などの施設入所予定者計約2万3000人に対し1回限りの無料PCR検査を行うための関連費用4億1400万円を盛り込んだ補正予算案を9月議会に提出する方針だとして、批判に窮したのか最初とは別の話になって来た、世田谷区長の発言を掲載している。

この検査によってどのくらいの感染者が見つかるのかは知らない。検査を受ける個人の負担はゼロかもしれないが、単純計算すると、1人1回のPCR検査あたり18000円の「公費」が投入されることになる。

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【2020年8月28日撮影のスクリーンショット】

たとえば、ある地域で新規感染者数が増加し、市中感染蔓延の恐れがある場合、医療施設や介護施設で働くスタッフなど、感染リスクや感染させるリスクの高い無症状者に対し、PCR検査を実施することは当然あってよい。

そういった検査が必要になる場合に備えて、今のうちにPCR検査体制を充実させておくことは、わが国の新型コロナ対策における喫緊の課題のひとつでもある。

しかし、

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