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文系女医の書いて、思うこと【スタンダード】

noteでわたしが書く記事が大体ぜんぶ読める基本のマガジンです。継続的に執筆を応援してくださる方、わたしの書いた記事を大体ぜんぶ読みたい!という方にお勧め。引用の際には出典のご記…
医学に関するデータやその解釈をいつも最新にアップデートしておくことを通じて命や健康を守りたい、とい…
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2023年10月の記事一覧

野生のポルチーニ茸をドキドキしながら食べる

パリ郊外の宿を出て車を走らせること30分、森沿いの道に出た。 何があるわけでもないのに車が6、7台とまっている。森に入って行く人も森から出てくる人もバスケット(籠)を持っている。そこから覗いているのは、走っている車からもそれとわかる大きなキノコだ。 急いで車を止め、バスケットはないので買い物用のエコバックを掴み、森へ向かって歩き出した。 と言っても、いったいどんなキノコをどんなところで探したらいいのか。 誰かに訊ねようにも、さっきまで赤ちゃんとバスケットを両脇に抱えて

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今どきの女子大学生の子宮頸がんワクチン接種率

神戸の甲南女子大学で講義を行いました。 対象は学部の2年から4年生で、全員が1997年4月2日生まれから2007年4月1日生まれの「子宮頸がん(HPV)ワクチンのキャッチアップ接種」の対象者です。 講義は、未成年の医療の自己決定(保護者の同意がなくても自分が受ける医療行為について決断できる権利)についてで、その文脈で、HPVワクチン接種の話もしました。 日本ではワクチン接種の自己決定年齢は、HPVワクチンでも新型コロナワクチンでも16歳です。つまり、15歳までは親の同意

ブックレビュー:『土偶を読むを読む』を読む

『土偶を読むを読む』は、サントリー学芸賞受賞の『土偶を読む』の批判本であると同時に、文化人や論壇人、NHKなどの専門性を持たない権威が、根拠に乏しい「発見」にお墨付きを与えてしまうことの危うさを指摘した文化論。 奇想天外な新説には夢がある。でも、その新説が、ほかの専門家の研究や主張の緻密な検証の上に成り立つものでなければ「ただの妄想である」という当たり前ながら忘れがちな事実を、楽しい土偶の写真を惜しみなく使いながら分かりやすく教えてくれる良書だ。 この本が批判の対象とする

条件付き「百薬の長」に復権?-アルコールの最新リスク評価

飲めるのに飲まない人が、若い年代を中心に全年代で増えていることについては先日のnoteでお伝えしました。理由の一つは、健康志向です。 少量なら百薬の長と言われてきたアルコールの評価が「少量でも有害」となったきっかけは、2018年、医学誌「ランセット」に掲載された論文でした。 195の国と地域で1990年から2016年にかけて「世界疾病負荷調査」で集めされたデータを分析したところ、「健康によいアルコール摂取量はゼロ」という結果が出たのです。 それまでは、赤ワインを飲む人は

¥980