ブックレビュー:『土偶を読むを読む』を読む
『土偶を読むを読む』は、サントリー学芸賞受賞の『土偶を読む』の批判本であると同時に、文化人や論壇人、NHKなどの専門性を持たない権威が、根拠に乏しい「発見」にお墨付きを与えてしまうことの危うさを指摘した文化論。
奇想天外な新説には夢がある。でも、その新説が、ほかの専門家の研究や主張の緻密な検証の上に成り立つものでなければ「ただの妄想である」という当たり前ながら忘れがちな事実を、楽しい土偶の写真を惜しみなく使いながら分かりやすく教えてくれる良書だ。
この本が批判の対象とする