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文系女医の書いて、思うこと【スタンダード】

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2021年12月の記事一覧

オミクロン株でもクリスマスもお正月も諦めない

まだクリスマスイブの今日、ハンブルクはみぞれ交じりの雪です。どこかのクリスマスソングのように夜更けに雪になり、明日はホワイトクリスマスとなるのでしょうか。 ドイツではクリスマスイブが大晦日、クリスマスがお正月と言った感じでみんな帰省してしまうので街もがらんとしています。そして、25日か26日には戻ってきたら1年はだいたい終わり。大晦日はなぜか爆竹を鳴らして新年を迎えますが、今年はコロナのため爆竹が禁止されているのでクリスマスがいつも以上にクライマックスです。 日本ではまだ

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反ワクチン運動という試金石

今週末、私の住むハンブルクでは全独最大の反ワクチンデモがありました。ヨーロッパにおける反ワクチンデモについて、日本のメディアでも取り上げられているのを見かけますが、今日は報道からは読み取ることのできない背景をお伝えできればと思って筆をとりました。よろしければ「暴走する反ワクチン運動」とあわせて読んでいただけたら嬉しいです。どちらも定期購読マガジン「文系女医の書いて、思うこと」に入っています。 労組の義務化賛成を取りつけたイタリア

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英「デイリー・テレグラフ」紙、ジョン・マドックス賞と日本の子宮頸がんワクチン勧奨再開を報道

12月13日付、英「デイリー・テレグラフ(Daily Telegraph)」紙のコラムで、今年のジョン・マドックス賞に絡め、2017年の私の受賞が子宮頸がんワクチンの勧奨再開を後押ししたことが報じられました。 1855年創刊のデイリー・テレグラフはイギリスで最も発行部数が多い、イギリスを代表する高級紙です。日本産婦人科医会の木下勝之会長のコメントも引用されています。 まずは、該当部分の翻訳をお届けします。 残念ながら(COVIDによる制限のため)今年の授賞式を欠席したの

独、5歳から11歳の子どもに新型コロナワクチンを「推奨しない」方針

日本でも来年2月には接種可能になる見込みの5歳から11歳の新型コロナワクチン。ドイツのワクチン諮問委員会(STIKO)は12月9日、5歳から11歳の子どもへの接種が先月末に承認されたのを受け、この年代の子どもたちへの一律の接種を「推奨しない」とする方針を大筋でまとめました。 接種できることと接種が推奨されていることは別です。ドイツでは12歳から17歳の子どもへの接種推奨も接種承認から3か月経った後でした。 今回の決定を受け、「保護者は混乱している」「すでに子どもの分のワク

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クリスマス直前、オミクロン株のいる欧州の今

「新規感染者数が記録更新したと聞いたけど大丈夫?」 「今年2月以来最高の500人超の死者という報道を見ました」 「医療崩壊が起きているそうですね」 日本からドイツのコロナを心配してくださる声が絶えません。 しかし、ハンブルクではオミクロン株が出現した以降も、特にワクチン接種者の生活はほぼ何も変わっていません。クリスマスマーケットも相変わらずにぎわっていますし、街はクリスマスのイルミネーションと買い物客でいっぱいです。 現状は報道と違うことも テロや戦争でもそうですが、メ

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暴走する反ワクチン運動

10月、南イタリアを旅行した。ワクチン接種の事実上の義務化が始まった頃のことで、義務化に反対するデモの映像がテレビで流れていた。 反ワクチン、反コロナデモならドイツでもフランスでも以前から起きている。イタリアのニュースを見て驚いたのは、体格のいい男性たちが警察ともみ合って何かの煙まで上がっており、デモというより暴動の雰囲気だったことだ。 イタリア政府は10月15日、「グリーンパス」と呼ばれる新型コロナワクチンの接種証明書を持たずに就労した人に対し最高で1500€の罰金や停

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お知らせ

最近、ワクチンに不信感を持つ人たちから以前にも増して攻撃的な公開コメントをたくさんもらうようになりました。 メールやファックスを用いた執拗な誹謗中傷、脅迫も続いており、警視庁に相談して調査してもらったところ、発信元がわざわざ擬装してあることや1人が複数アカウントをもってやっていることが分かりました。発信元の偽装は振り込め詐欺などの犯罪で用いられる手法で、一連の嫌がらせはこの手のことのやり方を熟知し、日常的に行っている人たちによる組織的なものだろうとの指摘を受けました。 ワ