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文系女医の書いて、思うこと【スタンダード】

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2021年2月の記事一覧

WHO「ウイルスの起源の調査」武漢会見後のアメリカの動き

WHO専門家チーム代表のPeter Ben Embarekが武漢滞在の最終日、WSJ(米「ウオールストリートジャーナル」紙)に対し、「2009年10月以前から新型コロナの患者が発生していた可能性があった」コメントしたのをきかっけに英米メディアが他の専門家にも取材し、類似コメントを取った追加報道がたくさん出ている。一方、アメリカ政府は興味深い動きを見せている。

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毎年、日本でも食中毒が起きる「これ」のこと

この時期、ドイツのスーパーマーケットでは1束0.5から1ユーロ(100円くらい)で、レジの脇や野菜売り場の片隅に大量に積み上げられる写真のアイテム。 何か分かりますか? 「ネギやにんにくの芽の一種かな」って思いますよね……。ドイツでもネギはスープや煮込み料理などに入れて1年中よく食べます。 でも、違うんです。

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新型コロナワクチン、「安心」を最優先して失敗したフランスの経験から学ぶこと

「新型コロナワクチン、日本挽回のチャンスを潰す「練馬モデル」の背景」の続きで完結編です。 欧州でも特に自然志向で、反ワクチン傾向が強いことで知られるフランスの新型コロナワクチン接種状況を見てみよう。 下のグラフは、1月14日現在の「今週新型コロナワクチンが接種できるのであれば接種しますか?」という質問に答えた人の割合を示した国別グラフだ。 Our World in Data より 「今週新型コロナワクチンが接種できるなら、あなたは接種しますか?」 「はい」と答えた人の

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「個別接種がベスト」の幻想で新型コロナワクチン、日本挽回のチャンス逃すな

新型コロナワクチンは集団接種が原則だ。海外でも、新型コロナワクチンをまるでインフルエンザワクチンのように個別接種を中心に進めている国はどこにもない。 なぜか。 短期間に多くの人に接種してできるだけ早く集団免疫を獲得することで、出入国制限を解き、従来の経済活動を取り戻したいからである。EU(欧州連合)では域内共通の「ワクチン・パスポート」の議論も始まっている。ワクチン接種を証明する公的文書が無ければ、EU域内のバカンスを楽しめなくなる日もそう遠くはないだろう。 日本政府も

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2021年2月10日のWHOワクチン諮問委員会(SAGE)会見まとめ

2月10日、WHOのワクチン諮問委員会(SAGE)の会見のポイント中のポイントだけまとめました。日本人では以前、川崎市健康安全研究所所長で国立感染研の元所長の岡部信彦先生がSAGEの委員の1人を務めていらました。 9日に武漢で行われた「新型コロナウイルスの起源の調査」とは異なり、政治性がなく勉強になりました。

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WHOによるウイルスの起源の調査メディア・クリップ

2021年1月に実施されたWHOによる「ウイルスの起源の調査」。武漢到着から武漢出発までの主だった記事をリストアップ。

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日本の医者たちも新型コロナワクチンの「接種宣言」を始めた理由

近ごろ、新型コロナワクチンを「接種する」と宣言をする医師が急に増えたとの印象をもつ人も多いのではないだろうか。かく言うわたしも、ファイザーやモデルナのワクチンの治験データが出始めた昨年11月ころは、「海外の接種データを見届けてから」とやや曖昧な発言をしていた。 わたしを含む多くの医者が、ここへ来て接種宣言をはじめたことには理由がある。今日はその理由について詳しく書きたいと思う。 日本では中でも、ワクチンを接種することによってかえって症状が悪化する「抗体依存性増悪(ADE)

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世界が注目!五輪を控えた日本の「反ワクチン度」

1月28日(日本時間)、国内外の反ワクチン問題を追ってきた筆者も、英国営放送「BBCワールドニュース」に出演し、日本のワクチン導入状況と日本人の「反ワクチン度」についてコメントした。この問題についての海外の関心はよほど強いらしく、今週もまた英「エコノミスト」誌の取材を受けた。 新型コロナワクチンの導入が遅いのは、日本だけの話ではない。韓国、台湾など、新型コロナの流行を緩やかに抑えることに成功してきたアジアの国々では、ワクチンの導入が遅れている。オリンピックがあるとは言え、な

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新型コロナ、各国の接種状況と日本がたどる現実的シナリオ

日本でもドイツでもコロナがピークアウトしてきた。日本では年末年始、ドイツではクリスマスの人の移動が感染拡大に追い打ちをかけるのではないかと言われていたが、新規感染者数は逆に減った。これは幸いとは言え、ちょっと不思議だ。 「感染は家庭内で広がっている」として効果が怪ぶまれたドイツの完全なロックダウンも、昨年春に比べれば大幅に緊張感が下がった日本の緊急事態宣言も、それなりの効果はあるのかもしれない。 1月最終週のドイツの新規感染者数は1万人台、死者数は1000人前後。日本から

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