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文系女医の書いて、思うこと【プロフェッショナル】

「文系女医の書いて、思うこと【プロフェッショナル】」はわたしが書くすべての記事を読みたいという方、定期購読で応援してくださる方向けです。執筆の舞台裏エピソードや医療関係者向けの特… もっと読む
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#新型コロナワクチン

片目だけのサングラス―独でワクチン副反応訴訟開始、300人が製造4社を訴え

7月3日、フランス国境に近いドイツ南西部の田舎町、ロットバイルでドイツで初となるビオンテック製新型コロナワクチンの副反応だという被害に対する損害賠償を求める裁判が行われました。 ドイツで初めてビオンテック製ワクチンに対する訴訟が提起されたのは、これが初めてではありません。第1号は今年6月、ハンブルク在住の女性医師(私じゃないです)による、12万5000ユーロの賠償をもとめるものでした。 ところが、この裁判の期日は直前になって急遽キャンセルされ、その後、新しい日程も発表され

WHOの新型コロナワクチン「新ロードマップ」と日本の方針の温度差

WHOは3月20日から23日に開かれたWHOワクチン諮問委員会(SAGE)での議論に基づき、新型コロナワクチンの追加接種に関するロードマップを更新することを発表しました。 この更新は、ワクチン接種と感染により世界人口のほとんどが免疫をもつようになったことと、および、オミクロン株が中心的な流行株となったことを考慮して改定されたものであるとのことです。 日本の「少しでも効果があることは何でも続ける」姿勢にも一石ロードマップはもともと、リスクの高い人たちを守ることを通じて医療を

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また年2回打つの?日本の新型コロナワクチン接種計画への少しだけ違和感

一時帰国しています。話には聞いていましたが、本当にまだ誰でもどこでもマスクをしていることにも驚きますが、高齢者だけでなく、感染歴のある若い人にも4回、5回とワクチンを接種しているが多いことに驚きます。良くも悪くも、日本人は本当にまじめにコロナ対策を続けていることを改めて実感します。 EUでは若い世代の4回目の接種は推奨されていません。マスク着用も「以前ほどの意義はない」として、ほぼすべての国のほぼすべての場面で着用義務がなくなっています。 「効果や必要性のなくなったことは

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新型コロナワクチンも有料に!今後の接種を判断していくための重要ポイント9つ

パンデミックも、流行が拡大する度に”すべての人”がワクチンを追加接種していくフェーズは終わりました。 この春、新型コロナウイルスが2類から5類になるのに伴い、ワクチンも段階的に有料になります。1回の価格はおそらく1万円以上。無料でも打たない、無料だし打っておこうといった具合に接種を判断するフェーズも終わったことになります。 では、これからはどんな免疫状況(感染歴やワクチン接種歴)やリスクの人が、どんな間隔や頻度で追加接種をしていくのかベストなのでしょうか。 昨日、そうい

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新型コロナワクチンの安全性を疑う声が再燃している件について

12月21日に公開した「新型コロナワクチン4回目接種についての打ち明け話」という記事が、ネットで炎上している。しかも、ふだんの購読者とは明らかには違った人たちがこの記事を買っていく。 炎上するようなことを書いた覚えもないし、今頃になって炎上する理由も分からずキョトンとしていたが、やっと理由が分かった。

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子どもから、安全に「感染を許容」していくという議論

昨年9月、ワクチン接種率72%に達したデンマークは「新型コロナはもう脅威ではない」として、マスク、ワクチン接種証明の提示など、それまで行っていた新型コロナに関する行動制限を全廃することを発表しました。 集団免疫成立ラインと言われていた70%接種率を達成してからは、感染をある程度許容し、ワクチンを打たない人は重症化や死亡のリスクが高いが自己責任で、ワクチン接種者や若い人などリスクの低い残りの人は、感染とワクチンで随時免疫を更新していくというアプローチに切り替えたのです。

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子どものインフルエンザと新型コロナ、ワクチン副反応、一番こわいのはどれ?

副反応が怖い?欧州では子どもにはインフルエンザワクチンを打たないのが普通 欧州では、子どものインフルエンザワクチン接種が一般的ではありません。 保育所や学校で集団生活を送る子や受験を控えた子が、インフルエンザワクチンをすることが一般的な日本からすると驚きますが、わたしの暮らしているドイツでも、インフルエンザワクチンを接種したことがあるという健康な子どもは珍しく、病気がある人や医療従事者でもない限り、生まれてから65歳になるまでインフルエンザワクチンを1回も接種しないのが普通

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今年は本当に流行る?インフルエンザ・新型コロナ同時流行への備え方

オーストラリアなど南半球での流行を受け、北半球では今、インフルエンザと新型コロナの同時流行が警戒されている。 「専門家は」警戒しているという点と、「去年も一昨年も結局、流行らなかったではないか」と市民が冷めた反応を見せている点では同じだが、日本と筆者の暮らすドイツでは警戒の仕方が異なる。 日本では新型コロナのワクチンに加えて、インフルエンザのワクチンを接種することが広く呼びかけられているのに対し、ドイツではワクチン接種よりマスクの着用に重点が置かれているのだ。 マスク

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もう1回接種する…?「ハイブリッド免疫」を持つ人への現実的アドバイス

かねてから、①新型コロナの重症化(入院)を防ぐには、最低3回の接種が必要であること、②ワクチン接種+感染の「ハイブリッド免疫」は、ワクチンだけ、感染だけで得た免疫より強固であることが指摘されており、わたしのnoteでも裏付けとなるデータや解析を紹介してきた。 加えて最近出てきたのが、今年の3月頃まで日本でもはやっていたBA.2の感染によってハイブリッド免疫を獲得した人でも、いま流行中のBA.5の重症化から十分に守られ、感染からも守られているというデータだ。 コロナ陰性にな

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インフルエンザワクチンと新型コロナワクチンの同時接種が心配な人へ

加藤厚生労働大臣は16日、新型コロナとインフルエンザの同時流行の恐れがあるとして、両方のワクチンの同時接種の準備を進める考えを示したとの報道がありました。 どんな組み合わせでもいくつ組み合わせてもOKインフルエンザワクチンと新型コロナワクチンに限らず、同時接種は、どんな組み合わせでも、何種類の組み合わせでも、安全性と効果が保たれることが知られています。 たとえば、麻疹ワクチンと風疹ワクチンのように標的とする病原体が異なるワクチンを組み合わせてもいいし、生ワクチンと不活化ワ

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マイナーな新型コロナワクチン開発は今どうなっているのか?

2022年7月現在、アメリカ、イギリス、ドイツ、中国、インド、ロシアの6カ国がつくったワクチンは、自国以外の国でも広く承認され、使われています。また、台湾やキューバ、イランなど、国産のワクチンを自国だけで承認して接種を始めている国もあります。 今日は日本ではあまり知られていない、世界のマイナーな新型コロナワクチンの開発状況やその背景について解説します。 キューバの名門、フィンレイ研究所

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新型コロナワクチン4回目接種に関する論文全7本

今月9日に公開した「必読!新型コロナワクチンの4回目接種の「本当に役立つアドバイス」が好評です。 わたしがこの記事を書く根拠とした7本のmRNAの新型コロナワクチンの4回接種に関する論文についてポイントをまとめました。 mRNAの新型コロナワクチンの4回目接種に関するデータで論文の形になっているものは現在までのところ7本しかありません。6本がイスラエルからの報告、1本がカナダからの報告で、すべてがオミクロン株の流行期のデータに基づくものです。 イスラエルからの論文はすべ

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必読!新型コロナワクチンの4回目接種の「本当に役立つアドバイス」

3回目のワクチン接種が行き届き、気温の上昇も後押しするなかで、やっと落ち着いた感のある新型コロナウイルス。一方、最近では接種対象の方やそのご家族から、「4回目の接種の通知が届いた」との話を聞くようになりました。3回目が終わったばかりという年代もいる中、「え?もう??」という気もしますよね。 ワクチンの免疫応答は、接種間隔をある程度(半年~1年)あけた方が高いことが知られています。 ただし、ファイザーやモデルナなどmRNAワクチンの最大の問題点は、「効果が長期間持続しな

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ウクライナ侵攻と共に消えつつあるワクチン接種義務の議論

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