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文系女医の書いて、思うこと【プロフェッショナル】

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2024年2月の記事一覧

「21世紀の阿片」フェンタニルと港町ハンブルク

ドイツでは今、従来のヘロイン、コカイン、覚せい剤などに加え、「フェンタニル」と呼ばれる合成麻薬が大きな社会問題としてクローズアップされています。 処方麻薬のフェンタニルは、手術の後や末期がんなどの疼痛を緩和するため、医療の現場でよく使われています。その強度は、モルヒネの100倍、ヘロインの50倍と言われており、少量でも疼痛を抑え、多幸感をもたらす強烈な効果があります。 そのため、オーバードーズとなりやすく、2021年にはドイツだけで88人が急性中毒で死亡しています。同じ年

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日本も「5種混合ワクチン」へ―世界の混合ワクチン最前線

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この症状が出たら「人食いバクテリア」を疑え!

国立感染症研究所によれば、2023年は「人食いバクテリア」の俗称をもつ劇症型溶血性レンサ球菌感染症の報告数が941人と統計を取り始めて以来、最高の数になりました。劇症型溶血性レンサ球菌感染症の初期症状はかぜによく似ています。どうやって感染を疑えばいいのでしょうか。 50歳未満の死亡率増加劇症型溶血性レンサ球菌感染症の2023年の届出時死亡例は97例。特に50歳未満において死亡が占める割合が、2018年19.7%、2019年24.1%、2020年12.8%、2021年9.1%

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「医者目線」で考える飛行機でのペット機内同乗問題

1月2日、羽田空港で日本航空(JAL)機と海上保安庁の航空機が衝突して炎上し、海保機の乗員5名が死亡した。幸いにもJAL機の旅客・乗員は全員無事で、欧米各紙はこれを「奇跡」と報じた。 事故の原因が海保機の方にあったせいなのか、5名の人命の損失に対する哀悼の言葉が投げかけられることは多くなかったが、5名とは別に失われた、ある2つの命の損失に対しては強い哀悼の声が上がった。貨物室に預けられた2匹のペットが救出されずに死亡したのだ。 ところが、その声はやがて「ペットも機内に同乗

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