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文系女医の書いて、思うこと【プロフェッショナル】

「文系女医の書いて、思うこと【プロフェッショナル】」はわたしが書くすべての記事を読みたいという方、定期購読で応援してくださる方向けです。執筆の舞台裏エピソードや医療関係者向けの特… もっと読む
内容の詰まった記事を更新していきます。「文系女医の書いて、思うこと。【スタンダード】」とだいたい同… もっと詳しく
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2024年1月の記事一覧

子宮頸がん(HPV)ワクチン、キャッチアップ接種終了まであと1年

子宮頸がん(HPV)ワクチンを無料で接種する権利があったのに接種しなかった女性が、定期接種年齢を過ぎても無料で接種できる「キャッチアップ接種」の特別措置は2025年3月に終了します。 対象は1997年4月2日~2007年4月1日生まれの女性です。 つまり、あと1年ちょっとで無料接種の権利は消滅してしまいますが、対象者の多くがまだ接種を受けておらず、キャッチアップ接種率はほとんどの自治体で10%以下です。 日本と同じく接種率が激減したデンマークではキャッチアップ接種のおか

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豆腐を作って考えた「天然塩」と「天然にがり」の付加価値と安全性

昨今の日本食ブーム・健康食志向も相まって、ドイツのスーパーやドラッグストアではほぼどこでも「豆腐(Tofu)」が売られています。 と言っても、日本の豆腐のように水に入った水分の多いものではなく、持つとずしっと重く、水分が少なくぱさっとした食感のものが、圧縮パックに入って売られています。炒め物などにする分には「まあ許す」という感じですが、そのまま食べられるような代物ではなく、食べた感じも豆腐というより歯ごたえのある揚げといった感じです。 ドイツの豆腐事情については、写真入り

医学的エビデンスとデータから考える「有機食品は体にいい」は本当か?

わたしの暮らしているドイツの有機食品市場は150億ユーロと欧州一の規模で、世界的にも450億ユーロのアメリカに次ぐ「有機(オーガニック)大国」です。わが家の50メートル先にも有機食品だけを扱う「ビオ(Bio)ショップ」があり、日本のイオンや東急などに当たる大手スーパーマーケットチェーン各社が、ナショナルブランドの有機食品に加えプライベートブランドの有機食品を販売しています。日本の有機食品市場も右肩上がり、かつアジアでは中国に次ぐ規模ですが、売上高は約1420億円と人口約800

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地震とレモンの島、シチリアで迎える新年

元旦からの地震という衝撃的な始まりとなった2024年。この後の2024年が穏やかで健やかであることを祈ります。 わたしの新年はイタリアのシチリア島でした。カバー写真の後ろに見えているのは先日も噴火したばかりのエトナ山。 シチリアも地震の多い場所で地震のたびに建て直された村がいくつもあります。たとえば17世紀に大地震で壊滅的な被害受けて再建された、シクリ(シチリアの語源)の街もそうです。