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子宮頸がんワクチンに問題に関心の高い医師からよく受ける質問に、厚生労働省の 子宮頸がん(HPV)ワクチンの定期接種率=「定期接種年齢(小6から高1女子)の接種者数」÷「13歳(中1)女子の人数」 という計算式は本当にあっているのか?というものがあります。 分子の方は5学年分なのに分母は1学年分。分母を5倍していない厚生労働省の計算は間違っている(過大評価になっている)のではないかというのです。 具体的に見てみましょう。 厚労省によれば、積極的接種勧奨の再開した令和4
パリ郊外の宿を出て車を走らせること30分、森沿いの道に出た。 何があるわけでもないのに車が6、7台とまっている。森に入って行く人も森から出てくる人もバスケット(籠)を持っている。そこから覗いているのは、走っている車からもそれとわかる大きなキノコだ。 急いで車を止め、バスケットはないので買い物用のエコバックを掴み、森へ向かって歩き出した。 と言っても、いったいどんなキノコをどんなところで探したらいいのか。 誰かに訊ねようにも、さっきまで赤ちゃんとバスケットを両脇に抱えて
神戸の甲南女子大学で講義を行いました。 対象は学部の2年から4年生で、全員が1997年4月2日生まれから2007年4月1日生まれの「子宮頸がん(HPV)ワクチンのキャッチアップ接種」の対象者です。 講義は、未成年の医療の自己決定(保護者の同意がなくても自分が受ける医療行為について決断できる権利)についてで、その文脈で、HPVワクチン接種の話もしました。 日本ではワクチン接種の自己決定年齢は、HPVワクチンでも新型コロナワクチンでも16歳です。つまり、15歳までは親の同意
『土偶を読むを読む』は、サントリー学芸賞受賞の『土偶を読む』の批判本であると同時に、文化人や論壇人、NHKなどの専門性を持たない権威が、根拠に乏しい「発見」にお墨付きを与えてしまうことの危うさを指摘した文化論。 奇想天外な新説には夢がある。でも、その新説が、ほかの専門家の研究や主張の緻密な検証の上に成り立つものでなければ「ただの妄想である」という当たり前ながら忘れがちな事実を、楽しい土偶の写真を惜しみなく使いながら分かりやすく教えてくれる良書だ。 この本が批判の対象とする
飲めるのに飲まない人が、若い年代を中心に全年代で増えていることについては先日のnoteでお伝えしました。理由の一つは、健康志向です。 少量なら百薬の長と言われてきたアルコールの評価が「少量でも有害」となったきっかけは、2018年、医学誌「ランセット」に掲載された論文でした。 195の国と地域で1990年から2016年にかけて「世界疾病負荷調査」で集めされたデータを分析したところ、「健康によいアルコール摂取量はゼロ」という結果が出たのです。 それまでは、赤ワインを飲む人は