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文系女医の書いて、思うこと【プロフェッショナル】

「文系女医の書いて、思うこと【プロフェッショナル】」はわたしが書くすべての記事を読みたいという方、定期購読で応援してくださる方向けです。執筆の舞台裏エピソードや医療関係者向けの特… もっと読む
内容の詰まった記事を更新していきます。「文系女医の書いて、思うこと。【スタンダード】」とだいたい同… もっと詳しく
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2022年9月の記事一覧

海外の性教育:ドイツの理科の教科書をのぞいてみよう

note「統一教会と子宮頸がんワクチン」でも触れたとおり、日本の学校ではこれまで、性教育と言えるような性教育が行われてきませんでした。 わが国における本格的な性教育は、2002年に始まりましたが、2005年になると「過激な性教育、ジェンダーフリー教育実際調査プロジェクトチーム」が発足し、性教育を行った関係者が降格や異動になるなどすると、教育現場における性教育は委縮していきました。以降、現在でも「性教育は各ご家庭で」という状況が続いています。 では、海外における性教育はどう

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インフルエンザワクチンと新型コロナワクチンの同時接種が心配な人へ

加藤厚生労働大臣は16日、新型コロナとインフルエンザの同時流行の恐れがあるとして、両方のワクチンの同時接種の準備を進める考えを示したとの報道がありました。 どんな組み合わせでもいくつ組み合わせてもOKインフルエンザワクチンと新型コロナワクチンに限らず、同時接種は、どんな組み合わせでも、何種類の組み合わせでも、安全性と効果が保たれることが知られています。 たとえば、麻疹ワクチンと風疹ワクチンのように標的とする病原体が異なるワクチンを組み合わせてもいいし、生ワクチンと不活化ワ

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オミクロン株対応ワクチンの重症化予防効果は今のワクチンとほぼ同じ?

アメリカやイギリス、EU各国ではオミクロン株対応ワクチンの接種が始まっています。 オミクロン株には、高い免疫回避能があります。ワクチンや感染からの回復で免疫を得ていても、それをすり抜けて感染する能力です。特に世界的に流行しているオミクロン株のBA.5の免疫回避能は高く、ワクチンを打っている人の間でもたくさんの感染を引き起こしています。 オミクロン株対応ワクチンは「意味がない」という専門家が続出ワクチンを接種しても感染を100%防ぐのは難しいとして、気になるのは、いま使って

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統一教会と子宮頸がんワクチン

「純潔」を至上とする統一教会と子宮頸がんワクチン問題や性教育をめぐる問題、その影響を受けた政治家たちの問題は、いつか詳細を明らかにすべき課題の1つだろう。  9月2日、北日本放送(KNB)が「統一教会と性教育」という特集を放送した。 以前から「統一教会との深いつながり」を指摘されていた山谷えり子参議院議員が安倍晋三元首相に対し、性教育の教育素材について否定的な説明を行う場面などの貴重な映像も織り交ぜながら(4”37’~)、日本で性教育が委縮していった過程と統一教会の関わり

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On the Road (オン・ザ・ロード)

先日、10代から20代にかけて私の愛読書だったジャック・ケルアックの『路上(オン・ザ・ロード)』を英国人の友人も愛読書にしていたことを知った。 この本の影響で私は放浪に無駄な憧れを抱くようになり(?)、その後、私なりにいろいろな旅を重ねてきたが、友人は70年代にこの本を読み、フランスの大手メディアの記者の仕事と妻子を放りだしてアメリカに渡り、助手席の地図だけを頼りに無目的な大陸横断をくり返し、フランスに戻った後は奇跡的にメディアと妻に許されて元の生活に戻ったという筋金入りだ